戦国の漢(おとこ)

 早乙女貢の『血槍三代』(集英社)を読みはじめた。時代背景は小牧長久手の合戦の頃、主人公は水野藤十郎勝成という野性味あふれる二十歳の若者である。物語は、この若者が見初めた娘のところに夜這いを仕掛けるところから始まる。なにしろ藤十郎、夜這いが大好きで、刈谷四万石の御曹司にも関わらず、あちこちの女子のところに忍んでいく。なかなか面白そうな漢(おとこ)である。今後、注目していきたい。