大つごもりに『大つごもり』を

 午後6時過ぎにようやく書庫の整理が終わりました。やれやれ。それにしても書庫の根は深かった。全部で3つの部屋の掃除をしようというのだから、なかなか1日や2日では大変な作業です。とにかく終了してほっとしています。

 終了してから、樋口一葉の『大つごもり』を音読しました。音読して分かるのですが、一葉の文章というのはとてもリズムがいい。そう思いませんか。
《井戸は車にて綱の長さ十二尋、勝手は北向きにて師走の空のから風ひゅうひゅうと吹きぬきの寒さ……》
 ううむ、明治の中ごろの貧乏な世帯のありようが、垣間見えてくるいい文章でした。この一葉の小説を読めば、まだまだ日本人はやれるぞと、その意識を新たにしたのでした。