小さい秋

 午前4時起床。2階の寝室の窓から外を眺める。まだ周囲は真っ暗だ。夏前ならもう明るくなっている頃なんだが、ずいぶん朝が遅くなっている。
昨日は久しぶりの雨模様だった。台風の直撃を免れた東海地方にはいいお湿りになった。
 枕元に並んでいる本をかき集めて寝室を出る。階下に降りると、おやぁ?室内がむっとしている。昨日はついにお日様が顔を出さなかったから、建物も熱を帯びていないのかと思ったら、一日くらいの冷や水では、建物そのものがため込んでいる熱を冷ますまでには至らなかったようだ。
 それでも、1階の窓という窓を開け放つと初秋の爽やかな風が室内の熱を吹き払っていく。気持ちいい。それでも狭い通路の奥にある書庫には、しょこまで風が通りにくいので、扇風機をつけて熱気を強制排除する。

 午前5時、薄っすらと周囲が明るくなってくる。庭のポストに新聞の投函される音がする。新聞を取ってきて書庫で寛げる。ふ〜む、さしたることもなしか。およよ、「エコカー補助終了」の見出しが1面に躍る。ついに終わったか。こんな補助制度、なんの環境対策にもなっていない。経済対策というならあながち間違ってはいないが、エコ対策などと思うのがアホの骨相、愚の骨頂。霞が関の官僚の考えることなど、さしたることもないわさ。
 エコカー補助金を得るためには、今乗っている車を廃車しなければならない。このバカな条件のために全国のスクラップ工場にはまだまだ乗れる車があふれている。走行距離3万キロなんていう車がごろごろしているんだそうな。それらが、次々に解体されていく。これのどこがエコなのかニャ?
 環境のことを考えるならば、現在、使っている車を丁寧に大切に使い続けること、これに限る。それは家電にも言えることで、とにかく買い替えることに「エコ」はない。「エコ」というお題目に愚かな民衆が踊らされているだけのことだわさ。
 だから、エコカー減税などという隠れ蓑を使わず、堂々と経済対策としてやればいいのだ。姑息なり、霞が関

 午前5時30分、最近、日課にしている朝シャワーを浴びる。シャワーの後、湿気がこもってしまうので風呂場の窓を開けておかないといけない。窓を開けたとたん、ひんやりとした風が風呂場から脱衣所を駆け抜けていく。涼しーーー。秋はもうすぐそこまで来ているようです。
 あ、今日は、重陽節句だった。
 晩酌には菊酒を飲まなくっちゃぁいけない。皆さんも不老長寿を願って菊の花を浸した菊酒をお試しあれ。