命の森を守れ(中国に売られる日本の山)その2

(上から続く)
 ワシャの地元は愛知県の西三河である。西三河というところは徳川家康の藩屏を輩出した土地柄だ。質素で頑固で命惜しみをしない三河武士の産地である。JR安城駅で降りてごらんなさいよ。大久保彦左衛門や本田作左衛門のような頑迷な面構えをしたちょんまげ姿のオッサンがたくさん歩いていますから(いませんけど)。
 安城駅を南に降りて、商店街をまっすぐ南に200メートルほど下る。そうすると文房具屋があるのでこの交差点を西に折れる。そこからやはり200メートルほど歩くとごつごつと石の並んだ公園が右手に現れる。そこで立ち止まって公園を眺めると、奥に高々と立つ銅像がある。
 岡田菊次郎翁である。
 あんた誰やねん、という話になるだろう。
http://www4.airnet.ne.jp/soutai/07_douzou/05_o/okada_kikujirou.html
 この爺様、何をした人かというと、今からざっと100年前、「水を使うものは水を作れ」と号令をかけて、西三河に流れる水を涵養するために、その水源(長野県根羽村)に山を求め、植林を始めた人なんですね。
 現在でも、岡田菊次郎さんの遺志は引き継がれ、安城市根羽村に広大な森林を保有し、根羽村とともに水源の森を守っているである。
 強い意志をもって守ろうとしなければ、日本の山は崩壊する。今から100年も前に田舎町の名士でしかなかった岡田菊次郎ですら気が付いたことを、なんで優秀な日本の政治家やら官僚たちは気が付かないのだろう。

 雨が降れば、森が涵養される。森と山が雨を浄化しきれいな水をつくる。それを下流の都市がいただいて生きているということを忘れてはいけない。そして、その命の源泉を外国人に蹂躙されてはいけない。水源の森を売るということは、日本の命を売るにも等しい行為である。
 顔を隠して「金はなんぼあってもいい」とうそぶいた山主よ。金はいくらあっても水を浄化しないし、豊かな生態系を育みもしない。拝金主義から足を洗って日本人としての気概を持てよ。