役人の百万言より少女の一言 その4

(上から続く)
 市民、パネラー、主催者などおよそ600人が集ったイベントで、県だけが浮いていた。やったことといえば、市民から滝クリを見る時間を15分間奪ったことと、あとは「COP10」の看板を無理やり被せ「主催者」になりきったこと。
 でもね、フォーラム自体はとても有意義だった。県幹部の15分がなければもっとよかったけどね。10フレームまでパーフェクトだったのに……最後に県ボールでガーターを連続で出してしまったような後味が拭いきれない。
 政令指定都市、地方拠点都市、中核市、環境モデル都市などが続々と、県の影響下から離れ始めている。例えば安城市では21年度まで総務省からキャリアを受け入れており、県を通さない国へのパイプを確保していた。もうそういう時代がきているということを真剣に認識しないと「県官僚による地方統制」は崩壊しまっせ。

 滝川さんが最後に、1992年にリオ・デ・ジャネイロで開催された「環境と開発に関する国連会議(環境サミット)」において、当時12歳だったセヴァン・スズキ
http://www.sloth.gr.jp/Severn-profile.htm
という少女の「伝説のスピーチ」を読み上げた。

「こんな大変なことが、ものすごいいきおいで起こっているのに、私たち人間ときたら、まるでまだまだ余裕があるようなのんきな顔をしています。
 まだ子どもの私には、この危機を救うのに何をしたらいいのかはっきりわかりません。
 でも、あなたがた大人にも知ってほしいんです。あなたがたもよい解決法なんてもっていないっていうことを。
 オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。
 死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。
 絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。
 そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのかあなたは知らないでしょう。
 どうやって直すのかわからないものを、こわしつづけるのはもうやめてください。」

 へたな役人言葉を百万語費やそうとも、少女の心から出た言葉には勝てないのだとつくづく思い知らされた。