そんなことを言っている場合か その2

(上から続く)
 コラムニストの勝谷誠彦さんは、パキスタンのバレーボール会場での自爆テロを受けて「世界は確実に悪くなる。」と予言している。世界各国を渡り歩き、朝日の論説委員とは比べものにならないほどの現場を知っている勝谷さんの言葉である。かなりの精度を持っていると考えた方がいい。そしてこう続ける。「それは二酸化炭素によるものなどではない」と……。

 もう一つ、愚社説に反撃しておこう。
 昔昔その昔……って言ったってわずか10年前の話じゃ。偉え学者様が
ダイオキシンは猛毒だ。知らずに吸っているとベトちゃんドクちゃんのような奇形児が生まれるぞ」と大騒ぎしていたっけ。それを受けてニュースステーション久米宏が所沢のほうれん草を槍玉にあげて、「ダイオキシンに汚染されている」って暴言を吐いたため、所沢のほうれん草農家に壊滅的な打撃を与えてしまった事件、皆さん、覚えていますか。
 2000年の『日本の論点』(文藝春秋)では、過熱するダイオキシン有毒報道にジャーナリストの日垣隆さんが「恐怖をあおるダイオキシン報道こそ問題だ」と指摘し、論陣を張っている。このころはまだ「ダイオキシン猛毒説」を垂れ流す学者やジャーナリストが元気で、日垣論文に対して「被害者の心配や苦しみ、発言を顧慮しない」と批判していたものだが、あの人たちは今頃どこで何をしているのだろうか。そもそも、ウソつきたちが言っていた「被害者」ってのがどこにいたんだろうか。
 あれから10年が過ぎ、この前も言ったけど、ついに『現代用語の基礎知識2010』から「ダイオキシン」の項は消えた。

 つまり朝日社説が新年早々大騒ぎをしているのは、10年前の「ダイオキシン騒動」と同じなんだと言いたい。