思想のバランス

 コラムニストの勝谷誠彦さんが亡くなってから「勝谷誠彦たちの××の日々」を継承してがんばっているヨロンさんが317日の日記でこんなことを言っていた。ニュージーランドでの危痴害の話に触れでである。

SNSは、自分の思想信条に近い情報で溢れます。》

《この容疑者は、かなりSNSに依存していることがわかります。彼から見たインターネット上の情報が反移民主義に満ちたものであれば、自分の考えは世の中の主流であるのだと思い込みます。無意識に自分が選んだ情報が載っているだけなのですが、それ以外の主張が見られないので、「私の考え方が正しい」となるのです。》

《問題なのは、その考えが強ければ強いほど、偏っていればいるほど、目の前の情報は自分の意に沿うように深く濃くなっていくことです。》

 と「SNS」というか「情報の取り込み方」の弊害を指摘されている。

 

 確かに、自分自身の傾向をみても、どうしても自分と似た考え方の人のSNSを見ることが多い。でもね、あえて違う考え方の人のところも覗くようにはしている。

 だからワシャは誰になんと言われようと「朝日新聞」を購読している。これは勝谷誠彦さんも同様だったが、なにしろあっちのほうの考え方を知るにはうってつけだからである。

 かつてワシャが凸凹商事で管理職になった時に、共産党系の社外役員から「赤旗日曜版を購読してくれ」と圧力がかかったことがあった。それまでの役職者は全員それを毎月800円払って買っていたそうな。その頃のワシャは若かったのう。「共産主義者に1円たりとも払うものか!」と断固としてはねつけた。

赤旗」も「朝日新聞」も似たようなものだと思う。モノによっては「赤旗」より酷い記事もあるが、ワシャ的には「本の紹介が多いこと」と父の代からの購入で紙面に目が慣れているので継続購読をしている。それほどの効能はないが「中和剤」としての役割もある。

 葦津珍彦、平泉澄福田恒存西尾幹二西部邁加地伸行などを愛読しているので、ときにバランスを取るために左傾の思考も見ておかないとね。でも、読めば読むほど「現在の左はやっぱりダメだな」と再認識するばかりである(笑)。

 

 ワシャは新聞、ニュース、本に至るまで、やはりきっちりと読み込むためには「メディア・リテラシー」が重要だと思っている。ワシャのバイブルに、日垣隆『情報の「目利き」になる!』(ちくま新書)があり、これを座右の書として日々のニュースに接している。

 これからますますSNSなどで増幅され「その考えが強ければ強いほど、偏っていればいるほど、目の前の情報は自分の意に沿うように深く濃くなっていく」だろう。ここで己のメディア・リテラシーを確立し、客観的に事象を見つめられる目をもっていたい。つねにそう思っている。

 

 ちなみに、佐高信松井やより山口二郎辻元清美蓮舫などの本も読んでまっせ。内容がないので1冊15分程で読めるから簡単でいいや。