間断の 音なき空に 星花火

 今日のタイトルは、まさに星花火のように輝いてあっという間に消えていった女優の夏目雅子の俳句である。享年27歳、これからが楽しみな女優だっただけに惜しまれてならない。
 その夏目雅子、1978年に「西遊記」のロケで、今、話題の新疆ウイグル自治区に行っている。あの可愛らしい三蔵法師シルクロードを歩いたのだ。
 ネットの情報なのでどこまで信憑性があるのか判らないが、こんな噂が流れている。
 1964年に中国は初の原爆実験を行い、以降、1970年代にかけて何度も何度も新疆ウイグル自治区のロプノール付近で核実験が繰り返された。その結果、周辺のウイグル人の土地におびただしい放射能を撒き散らしたのだ。
 ちょうどその時期に夏目雅子がその場所にいた。そこで夏目雅子被爆し、数年を経て白血病を発症し、死んだ、というものである。

 ワシャは夏目雅子のファンだった。写真集や夏目雅子に関する本を何冊も持っている。訃報が伝えられた1985年9月11日にはひとりで自棄酒を呑んだものだ。天命とはいえ神様も酷なことをするものだと思っていた。しかし、その死は、天の作用ではなく、夜郎自大な国のくだらない核実験の事後処理のいい加減さが原因だとするなら、これは悔やんでも悔やみきれませんぞ。なんであんないい加減な国にロケに行ったんだ。この国は得難い名女優を一人失ってしまったではないか。

 ウルムチでモスクやウイグル人の商店を破壊する中国(漢)人暴徒の様子を見ていて、そんなことを思った。
 やっぱり彼の国は好きになれない。