エネルギーの枯渇

 昨日、T大のY先生から興味深い話を聴いた。
 新エネルギーが幾つも出始めている。太陽光、風力、水素、小水力、バイオマス、地中熱利用などがある。しかし、そのどれもが石油の代替エネルギーには成りえないというのだ。残念ながら、これらは開発途上の技術であり、効率よくエネルギーを得ることができない。また、海の底に眠っているメタンハイドレード、オイルサンド、オイルシェールなどを得るためには、得られるエネルギーよりも大きいエネルギーが必要で、それならば、そのエネルギーをそのまま使ったほうが有効だということになる。だから、石油価格が上昇しても使えるエネルギーではない。石油の枯渇は始まっている。すでにオイルピークは越えており、2020年ごろには、国民もボンクラ政治家もそのことに気づき始める。その時に日本は原子力発電に大きくシフトいくのではないか、という話だった。
 ただ、石油の枯渇という問題は日本だけの問題ではない。世界が原子力にシフトをした場合、ウランは10年分しかないそうだ。10年分などないに等しい。

 それではエネルギー問題をどう解決していくのか。先生は言う。
「解決の方法はない。人類の歴史の中でエネルギーを使うようになったのは1800年くらいからのことで、それ以前は使っていなかった。これから300年くらいは何らかの燃料を利用してエネルギーを使う時代が続くだろうが、その後はまたエネルギー無消費の時代に戻るだけだろう」
 え?また暗黒の時代に戻るんですか。まぁワシャは生きていないから、どうでもいいといえばどうでもいいんですが……
 省エネルギーだ、地球温暖化だと騒いでいても、今の価値観がまかり通っていく限り、エネルギーの枯渇は必ず来る。何をやっても大した差にはならない。全世界で社会構造を根本的に変えない限りエネルギー問題に明日はないのだ。でも、中国やインドなどの新興国が絶対に納得しないから、やっぱり、明日はないのである。