知立市長選

 知立市長選で象徴的なことがあった。それは最終日の知立駅前での街頭演説でのことだ。保守系候補が駅前に立ったとき、黄色いユニフォームを着込んだスタッフと私服の支援者たちで駅前広場は埋め尽くされた。テレビ画面から人がはみ出しそうでしたぞ。
 片や当選を果たした新人候補が駅前に現れても、ごく身内の人間が周囲にいるのみで、閑散としているではないか。
 その差を目の当たりにして当選したのは保守系議員ではないのかと錯覚を起こしそうだったわい。
 あに図らんや、ちっとも動員をかけられなかった新人候補が圧勝をしてしまった。なぜか、もちろん候補者自身の魅力、そして支援者の努力があったことは間違いない。でもね、そればかりではないとにらんでいる。保守系候補は、コラムニストの勝谷誠彦さんが毛嫌いする「利権談合共産主義」の選挙を継続してしまった。そういう一部の利権がらみの顔役で市政を牛耳っていく時代は終焉しているにも関わらず、ボスたちはそのことに気づかなかったのじゃ。
 結果は、5000票の差をつけて新人が圧勝した。知立市民は賢明だった。

[メモ]
 自民系候補を応援していた某衆議院議員は「自民の灯を消すのか!」と叫んでいた。
 自民系候補は、国会議員以下大動員をしての選挙戦。市内企業からも400社の推薦をもらう。
 自民系陣営の演説は、もっぱら対立候補の悪口。
 自民系候補の奥さんは、市外の宴会まで顔を出して、泣きながら応援を頼んでいる。