「江戸時代に入るまで、『商人』という語感は『盗人』と同義であった」と司馬遼太郎が言っている。買い手を誤魔化し、商品に利を乗せて売り抜け、労せずして銭を手にする。商売と詐欺の境界線は分りにくい。だから身分制度の中でも最も下位に位置付けられた。
昨今のニュースを見よ。平成の商人たちが、自ら『盗人』であることを立証するような事件ばかりが続く。
《岐阜県養老町の食肉卸小売「丸明」の飛騨牛表示偽装》
《名古屋市のしゃぶしゃぶ店での肉の使い回し》
《コンサルタント会社の脱税》
《投資顧問会社「東山倶楽部」の出資法違反》
《ウナギの納入業者「魚秀」の偽装ウナギ販売、隠蔽工作》
《人材派遣大手グッドウィルの違法派遣》
6月26日の社会面だけで、これだけの悪徳商人が勢ぞろいした。利ばかりを追求すると、たちまち泥棒になるというサンプルはこんなに沢山いらない。
金はあるに越したことはないが、金に溺れるとろくなことになりませんなぁ。なんまんだぶなんまんだぶ……