『100人のバカ』(がんばれ佐高さん その1)

 佐高信さんは、この本の中でこんなことを言っている。
《こないだね、ある編集者が言ってたけど、「佐高さんの本をけっこう読んでる」っていう若い編集者がいて、「日垣隆と似てますね」と(笑)。》
 佐高さん、著書『直球曲球』の中で日垣隆さんのことを「ゴミ虫」とまでいい放っているのだ。そんな人と比較され喜んでいていいのだろうか。日垣さんも「どっかか日記で《笑っている場合なのか?》と突っ込んでいる。
 この文には突っ込みどころがいくつもある。まず、冒頭の「佐高さんの本をけっこう読んでる」という編集者だ。この編集者、本の読み込み方が甘い。両者の本を数冊も読めば、まったく違うモノだということがすぐに理解できるはずだ。こんな戯言を吐いているようでは編集者失格だろう。あるいはこの編集者、佐高さんお得意の創作(捏造)かもしれない。
《週間金曜日の件で、いま右翼が来てるけど、日垣に右翼が行くことはないんだよね。》
 佐高さん、「おれは辛口だから右翼に付け狙われている」と暗に自慢しているのだが、今日び、田舎のチンケな役場にだって右翼は抗議にやってきまっせ。詰まらぬことを手柄にする佐高節は健在だ。
 もと「噂の真相」編集長の岡留さんも元気だ。
《座標軸がなければ、日垣も辛口に見えるわけじゃないですか。もっと言えば、勝谷誠彦も辛口に見えるわけですよ。思想はぜんぜん違うんだけど、今の若い人はそこは見ないから、映像的に見れば同種の人間に見えちゃうところがあるかもしれないですね。》
 見えないって。
日垣隆の話でも、日垣が生意気なことを書いて、『「買ってはいけない」は買ってはいけない』っていうコバンザメ商法で儲ける訳でしょ。》
 佐高さんの言っている『「買ってはいけない」は買ってはいけない』という本はない。日垣さんの出したのは『「買ってはいけない」は嘘である』という本だ。このあたりも日垣さんが『偽善系2』で指摘するように取材が甘いと言うか、チェックが甘いと言うか……
《日垣で思い出した。田中康夫を励ます会かなんかのパーティーに行ったときに、日垣が来てた。俺(岡留)の顔見て、「あっ、佐高の仲間だ」って言われたことがある(笑)。》
 そういう場面で日垣さんは「あっ、佐高の仲間だ」なんてまず言わない。「あっ佐高さんのお仲間ですよね」と慇懃には言うだろうけど。情報を捻じ曲げるのはさすが岡留さん、十八番だ。
 ううう、どんどん書けてしまう。この続きはまた明日。