良書も悪書も本は本

 どうしても『バカ本』が読みたくなってしまった。日垣さんも「WiLL」の「どっからでもかかって来い!売文生活日記」の中でこの『バカ本』について触れている。ということは、この『バカ本』に関連して、話はおもしろい方向に転がっていく可能性が高い。そうなると手元にこの本を置いておく意義も出てくるというものだ。もったいないとは思うけれど、清水の舞台から飛び降りたつもりで、佐高信岡留安則編著『100人のバカ』(七つ森書館)を買っちまったぜ。
『100人のバカ』だけでは、レジに出すのが恥ずかしかったので、「司馬史観」について論じている鷲田小彌太の『時代小説に学ぶ人間学』(彩流社)と、著者の朗読CD付きだったので、久米明『朗読は楽しからずや』(光文社)も購入。ついでに各出版社の読書情報誌も6冊もらってきた。
 家に帰って、この情報誌をパラパラと眺めていると、ううむ、また欲しい本が見つかってしまった。
「図書」(岩波書店)の広告に『近代史必携』(吉川弘文館)が載っていた。これは欲しい。「青春と読書」(集英社)では、原信田実『謎解き広重「江戸百」』(集英社新書ヴィジュアル版)、玉村豊男『田舎暮らしができる人できない人』(集英社新書)を見つけた。「波」(新潮社)では、牧山桂子『次郎と正子 娘が語る素顔の白洲家』(新潮社)である。早速、ネットで注文しておく。注文確認メールが配信されたのをチェックして、ようやく『100人のバカ』に向かう。

 ううむ、「内容はないよう」な本なので30分で読み終わってしまった。スカスカだ。でもね、著者の予期していないところで大爆笑させてもらいました。
 佐高本に比べ、一緒に購入した『時代小説に学ぶ人間学』は収穫だった。時代小説のブックガイドとしてはレベルが高い。とくに司馬遼太郎に焦点を当てた第2章『「司馬史観」などというものはあるのか?』は、司馬史観を鷲田さんの冷静な思考で分析しており「司馬法典」を日々信仰しているワシャには快い鉄槌だった。どうせ金を払うのならこういった本を読みたいものである。
『100人のバカ』についてはまた明日にでも。