悲しい出来事

 ワシャは旅行や出張に出かける時に札入れを2つ持っていくことが多い。なぜって?それはね、ワシャはヒップ・ポケットには札入れを入れないの。オジさんたちはよくケツのポケットに分厚い札入れを入れて膨らませているでしょ。あれはメチャメチャ格好悪いので絶対にやらないことにしている。とすると、財布を入れるところがない。仕方ないのでバッグに入れるのだけれど、何かある都度、いちいちバッグから出して支払いをしなければいけないので、せっかちなワシャはついつい財布をしまい忘れてなくしてしまう可能性もある。だから1つの方には1万円くらいを入れておいて、もう一方の財布に大金(ウソです)を入れておくのだ。こうしておけば出し入れの際に紛失しても1万円の損で済むし、万一、強盗にあったって1万円だ。
 ということで、今度の東京出張も札入れを2つ持参した。

 帰りの新幹線が時間ぎりぎりになってしまった。それでも職場を3日も留守にしてしまったので部下にせんべいでも買っていってやろうと思った(優しいのだ)。八重洲中央口右手奥にある改札を入ったところのキオスクで、「せんべいちょうだい」と売り子のおばさんに言うと「1,050円です」と言う。支払用札入れを出して中を見ると、千円札が1枚しかなかった。小銭入れはバッグの底のほうだ。探すのが面倒くさいので、もう一つの札入れから千円を1枚抜いておばさんに手渡す。お釣をくれたので、お釣をしまって1アクション、大金札入れをしまって2アクション、支払い用の札入れをバッグにしまって3アクション、随分と忙しく出し入れ出し入れ出し入れをしていて、購入したせんべいのことを失念した。
 ワシャは、キオスクに1,050円を寄付しただけで新幹線に乗り込んでしまった。気がついた時には新幹線は動き出していた。今、とても悲しい。

 そしてもう一つ嫌な予感が脳裏をよぎった。さっき、八重洲ブックセンターで買った本のことである。
 今日、東京ビッグサイト行った。それは東京消防庁ハイパーレスキュー隊員(新潟県中越地震で土砂崩れに巻き込まれた皆川優太ちゃんを救出した)の講演会があったからである。その講演終了後、書店に立ち寄ったもんだから、ついつい地震関係の本を数冊購入してしまった。「10・27奇跡の救出」という本を買う時に「もしかしたら・・・」とも思ったのだが、魔がさした。買って帰ってみれば我家の書庫(物置ともいう)に同じ本が鎮座していた。
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 もう一つあるけれど悲しくて今は語れない。もう一つの悲劇は明日のこころだ〜。