おかえりなさい

 今年の1月28日の新聞各紙1面に「第10師団に編成命令 イラク第5次派遣」の見出しが掲載された。
第10師団は「金鯱師団」とも呼ばれる東海・北陸の地元師団で、このため知人も多い。だから派遣決定に際しては複雑な心境だった。
 その部隊がようやく任務を終えてそれぞれの駐屯地に続々と帰還した。よかった。第10師団の中でも一番馴染みの深い第49普通科連隊(豊川市)のイラク派遣要員の47人も、昨日、160枚の黄色いハンカチがはためく駐屯地に帰還した。少しだけジーンとなった。
 イラクへの自衛隊派遣前にはいろいろな論調が出ていた。例えば早稲田大学の水島教授は「自衛隊の本務はわが国を守ることである。イラク特措法武力行使を想定している」などと見当違いな主張をしていたが、イラク自衛隊武力行使などしていないし、自衛隊の大半は中越から福岡と日本を守ることに奔走している。このセンセも何かと言えば「日本が軍国化する」だの「軍靴の音が聞こえる」だのと口走っているが、大半の日本人をご覧なさいよ。そんな軍国体制に耐えられるような根性はとっくにないよ。いつまでも天が落ちてくるって騒いでばかりじゃ駄目だって。
 そんなアホの話はさておいて、自衛官の知人が言っていた。
サマーワでは自衛隊は人気があるんだ。イラク人は『アメリカ軍はさっさと帰れ』と思っているが、『自衛隊にはずっといて欲しい』と思っているのがひしひしと伝わってくる」
「これはフセイン政権時代から日本がイラクを始めとする中東諸国に対して礼を尽して接してきたお陰だろう」
「もちろん一部の反動分子は存在する。奴らはアメリカだろうと日本だろうとおかまいなしに襲撃をしてくるが、大半の一般住民の意識はまったく違っている」

 現在は阪神・淡路大震災で活躍した第3師団(近畿師団)がイラクに駐屯している。せいぜいイラクの人々に吉本ギャグを飛ばして交流をはかってきて欲しい。そしてもちろん全員が無事に帰還することを心から祈っている。