昨日の出来事

 駅前にあった小さな古本屋が店を閉めてずいぶんになる。漫画やエロ本は一切置かず文学書や俳句・短歌系の本ばかりを並べていた。客が3人も入ると身動きが取れなくなってしまうような小さな店だったが、いつも整然と整理されており掃除の行き届いた店内は居心地がよかった。
 先日、「日本の古本屋」で古書検索をしていたら件の古本屋にヒットした。
「あらら、まだ登録抹消していないんだな」
 店舗名のところをクリックすると、あれ?住所が変わっている。移転先の住所は郊外の農村集落の中だった。
「店を閉めたんじゃなかったんだ・・・」
 週末、欲しい本がその店にあったので、早速、住所をたよりに古本屋探しに出かけた。結局、車でその集落まで行ったのだが古本屋は見つからなかった。ネット販売だけなのだろうか、一度、メールで確認してみよう。
 その帰り道のことである。信号交差点にさしかかって左折をはじめると視野の左に女子高校生の姿が入ってきた。先に通過できないタイミングではなかったが、あわてたこともないので横断歩道の直前で停止して待つ。女子高校生は「あ、どうも」という感じで会釈をして小走りに目の前を通り過ぎてゆく、う〜ん、爽やかな譲り合いだなぁ・・・と思いきや、女子高校生、顔すら上げずにベタベタと靴を鳴らしてゆっくりとお通りあそばす。歩行者用の信号は点滅しているぞ。そんなことはお構いなしに我が道をゆく女子高校生であった。
 その後で近所の大型スーパーに立ち寄る。レジはほどよく込んでいた。ビールを買いこんでレジに並ぶ。「特価の明太子を買っておけばよかったかな・・・」などと後悔をしていたら、レジの前で突然、大きな声が上がった。レジのおばさんと2人の女性客との間でなにかトラブったらしい。様子をうかがっているとどうも客が外国人のようだ。結局、単に言葉が通じないだけだったらしいのだが、それにしてもレジの初老のおばさんはとても困っているようだった。
レジを済ませてビールケースを担いで雑貨のコーナーへ行く。扇子があったので今夏用に3本を買う。
 最後に、件の古本屋で本を物色できなかったフラストレーションを押さえるために、ブックオフに立ち寄って、数冊を購入して帰路についた。
 風呂で「右であれ左であれ(鈴木邦男対談集)」を読む。