地層処分

 原子力発電環境整備機構(NUMO)はいう。高レベル放射性廃棄物は長期にわたって安定した深い地層に埋設するんだと・・・
 はて?この日本に安定した地層などというものが存在するのだろうか。NUMOはこんな日本にも地質学的には地層処分に適した長期に安定した地層があると主張する。おいおい、おれたちの住んでいる日本列島は4枚のプレートが衝突する世界でも有数の不安定なところなんだぜ。日本全土が常に揺れているといってもいい。それに地震に関する研究というのは実は緒についたばかりで、まだなにも解っていないというのが現実なのに、なにを根拠にしてNUMOが安定した地層を特定できるのかが不透明だ。ウランは極めて長寿命な放射性元素半減期は235Uで7.038×10の8乗年、238Uで4.468×10の9乗年という恐ろしく長い歳月を要するんだぞ。80年足らずの人間の寿命を考えれば永遠といってもいい長さをどうやって安定して見守るつもりなのかね。100万年後にNUMOはまだ機構が存続していると本当に思っているのだろうか。もしそうだとすると危地害としかいいようがない。
 どちらにしてもまず地層処分がありきですべての思考や検討が始まっているから100万年でも1000万年でもずーっと安定した地層が日本にある、と盲信できるんだろうね。
 で、放射性の高い廃液はガラスに固めて地下水に流れ出すのを長期間に防ぐんだそうですが、長期間ってどのくらいの長さなの?人によっては1年でも長期間になるだろうし、1億年でも長期間だよね。こんなあいまいな言説でなにを信じればいいのだろうか。
 NUMOの広告でフィンランドの事例が紹介されている。「フィンランドでもやっているんだよ」ということらしいが、世界地震分布図(理科年表)をご覧なさいよ、フィンランドは真っ白だが、日本は地震発生の点で真っ黒になってどこに列島があるのかも見えない状態なのだ。まったく地震のない国と比較してどうするの・・・このあたりのPRの仕方からも胡散臭い雰囲気が漂うなぁ。