年の瀬に未曾有の大災害 その1

 まもなく年がかわろうかというこの時期に、凄まじい災害が起きてしまった。最終的に10万人を超す恐れも出てきた。このスマトラ沖地震は日本で危惧されている東海、東南海、南海地震と同様のプレート境界地震であり、とても他人事ではない。
 昭和19年(1944)12月7日、熊野灘沖でマグニチュード7.9という巨大地震が発生した。東南海地震である。この地震によって死者・不明者1,223人、住家全壊17,599戸、流出家屋3,129戸という被害が出ている。この地震に誘発されてその1ヶ月後に三河地震マグニチュード6.8)が発生し死者2,306人、住家全壊7,221戸という被害を出し、その1年後に紀伊半島沖でマグニチュード8.0の南海地震が発生し、死者1,330人、家屋全壊11,591戸、流出家屋1,451戸を数えた。
 東南海、南海は今回のスマトラ沖地震と比較するとまだ小さい。マグニチュードにして「1.0」違うので、エネルギーの大きさにして32倍の差がある。もし日本列島に近接する海溝でスマトラ沖クラスの地震が発生したらと考えると背筋が寒くなる。太平洋ベルト地帯は大打撃を被り、日本経済は長期にわたって停滞するだろう。日本人は地震という巨大な地雷原に住んでいるのだということを忘れてはいけない。
(「年の瀬に未曾有の大災害 その2」に続く)