M9の地震は想定内、東海地震は眉唾 その2

(上から続く)
 昨日の「たかじんのそこまで言って委員会」増刊号で、東京大学大学院のゲラー教授は言う。
「1000年前にそこで起きていて、この直近の60年間にも太平洋プレートの縁辺でマグニチュード9以上の地震が5回起きている。それを想定外の地震とは言わない。充分に想定内である」
 ゲラー教授は「非線形物理学」を引いて「地震予知はできない」とも言い切る。つまり、東海地震の予知などまったくの夢物語らしい。
 こちらをご覧ください。
http://www.jjjnet.com/jishin_kakuritsu.html
 一番上に西日本の地図に、よく見かける東海地震東南海地震、南海地震の3つの発生域を示したものがあるでしょ。きっちりと三つに分かれているけれど、本当にそうかなぁ。フィリピン海プレートは1枚のプレートだ。それがこんなにきれいに分かれて地震が起きるものだろうか。
 1976年のことである。神戸大学のとぼけた教授が「1944年、46年の東海道南海道沖の地震の際に、東海地震域だけが割れ残った。このため東海地震域には、未だに応力のエネルギーが蓄えらたままなので数年以内に東海地震が発生してもおかしくない」と主唱した。このために静岡県は蜂の巣を突いたような大騒ぎで防災対策を練った。しかし、その後、35年間、東海地震域はうんともすんとも、ぷーっとも言ってくれない。だから、この先生、ついに当時の見解が誤っていたことを認めざるを得なかった。そもそも、割れせんべいでもあるまいに、割れ残っているという見解自体、わけがわからない。バカな研究者はときに大きな経済的損失を与えるという見本になってしまった。
 この地震域ではざっと90年から150年くらいの周期で地震が発生し、その都度、大きな被害を出している。つまり、この周期が正しいとすれば、2030年まではよほど大丈夫だと思う。でもね、ゲラー教授のいう「非線形物理学」によれば、わずか1000年や2000年の時代観察などで、地震は予測できるものではないらしい。
 どちらにしても我々が地震の巣の上に住んでいることは間違いない。当然、地震に備えることは重要だ。しかし、流言やデマに惑わされてもいけない。そのあたりがなかなか難しいが、これには我々が情報に対する「リテラシー」を身に着けるしかないだろう。やっぱり日々勉強なんですな。