改造内閣続報

 小林よしのり氏が、安倍政権を評価してくれた。山尾志桜里に引っ張られて、ずっと立憲民主党のほうへ行ってしまっていたので、どうなることかと思って見ていたが、ようやく戻ってきてくれたか。

 9月12日の「YOSHIRINブログ」である。

《今回の内閣改造を評価する》

https://yoshinori-kobayashi.com/18826/

《安倍政権が韓国に対する毅然とした対応を行なったため、わしは今回の内閣改造も好意的に受け止めるようになってしまった。河野太郎防衛大臣というのもいいし、茂木が外務大臣というのもいいと思う。小泉進次郎の実力も観察できるし、興味深い内閣だ。》

 今回の改造内閣、どう見てもまともな内閣であり、これを正しく認識できるかどうかが、識者やマスコミの力量を示すメルクマールとなるであろう。

 昨日の中日新聞の特報面。《改造内閣?だらけ》と大きな見出しを打っている。サブの見出しが以下である。

《加計問題の萩生田氏が文科相

カジノ法案絡み疑惑 西村氏起用》

 今さら「加計学園」でもないでしょう。トンコレラ中日新聞の購買者の多いこの地域に、どれほどの被害を与えたか知らないのか。獣医学部を増やすことは最優先の課題でしょうが。そもそも反対していたのは、既得権益を守りたい獣医師会であり、そこから献金をもらっていた立憲民主党などの議員なのである。

 経済再生担当大臣に起用された西村氏には《ギャンブル依存症が懸念されているカジノを含む「統合型リゾート施設(IR)」整備推進法の提出者の一人。そうした立場でありながら、カジノに関連すると考えられる企業との関係が取り沙汰された。》と回りくどく批判して足を引っ張る。

 中日新聞の足元の名古屋はパチンコ発祥の地である。ギャンブル依存症はそもそもパチンコが一番ひどい。そのパチンコのチラシを新聞にたっぷりと挟み込んで金を稼いでいるのは、どこの新聞だったっけ。まさに「どの口で言う」である。

 専修大学の某がこの記事の末尾でこう言っている。

「安倍政権以前の自民党なら、大臣にする前に身辺を調べる『身体検査』でさまざまな問題が見つかった人を閣僚にすることはなかった」

 うそつけ。だったら「安倍政権以前の自民党内閣」で閣僚の問題が出なかったか?そんなわけないだろう。どの内閣だって大なり小なり閣僚の問題が噴出して、野党はこぞって内閣叩きをしていたではないか。

「以前なら当たり前だった党を超えての議論や交流する機会も激減した。自民党の劣化は野党にも悪影響を及ぼす。与野党を問わず、優秀な政治家が育たなくなる」

 おいおい、党を超えての議論ができないのは、いつまでも民進党の残党が「モリカケ」に象徴され得る不毛の議論を仕掛けてくるとことにある。そもそも政治の出来ないサヨク洗脳された原理主義者の辻元あたりを国会対策委員長にしているようでは、まともな政治などできるわけがない。野党の劣化が著しく、それが自民党のタガを緩めている。指摘していることが逆だ。

 

 

朝鮮二題

 おもしろい。今朝の朝日新聞社会面、2つの記事が縦に並んでいる。

上が《「パラメダル 旭日旗想起させる」韓国、デザイン変更を組織委に要望》。

下が《「嫌韓」煽動に抗議する声明 4団体が会見》。

上が、韓国が日本にいちゃもんをつけている話で、下は韓国にいちゃもんをつけている日本にいちゃもんをつけている話である。つまりどちらも韓国が日本にいちゃもんをつけている話で、以前なら、日本側が折れて「まあそこまで気になるならデザインを変更しようか」とか「そこまで抗議するなら主張を呑むか」となったのだろうけれど、今は日本人が覚醒してしまっている。韓国からの要求が「いちゃもん」であることを知ってしまった。韓国からの要望が「Wスタンダード」であることを理解してしまった。韓国からの抗議が「恫喝」であることを見ぬいてしまった。

その上に、韓国に不利なのは、常識のある世界の人々が、韓国の「いちゃもん」「Wスタンダード」「恫喝」がいかがわしいと思い始めてしまったことだ。

国際パラリンピックパーソンズ会長は「伝統的な日本文化を扇で表しているデザインで全く問題はない。組織委に対してデザインの見直しを指示するつもりもない」と明快だ。

韓国サイド、韓国シンパの言うことは、いつもワンパターン。

「日本の侵略を受けた韓国や中国、東南アジアなどのアジアの国々に苦痛を生じさせる明白な政治的象徴」

「植民地支配や戦争の歴史をあいまいに処理した戦後の対応への真摯な反省を通じてこそ、マイノリティーの人権と尊厳が保障される社会をつくることができる」

 いくら韓国側が主張しようとも、歴史をきっちりとひもときほぐしていけば、大韓帝国保護国とするについては、国際的な了承を取り付けている。さらに、「併合することによって莫大な費用がかかる」として「併合」に反対していた伊藤博文を、ハルビンの駅頭で暗殺したのは朝鮮人暴徒であった。

 ずっと韓国は、根拠の希薄な捏造歴史を理由に「真摯な反省をしろ」と言ってきた。その度に不本意ながらも日本は、大人の対応として折れて頭を下げてきた。しかし、結果はご承知のとおりだし、なんと大統領の文在寅が「何べんでも謝れ」と言い出した。ということはずっと謝り続けろということで、日本は韓国の言うなりになれということに等しい。

 もう日本は70年にわたって、始末の悪い隣国に遠慮し貢いできたのだ。伊藤が心配した莫大な資金を投入して造ったインフラをタダで盗られ、戦後の賠償金もせしめられ、単なる戦時売春婦に10億もの金を手渡し、かつきっちりと給与をもらっていた労働者の嘘で、日本企業が接収されようとしている。

 日本人の我慢も限界だと思いますよ……というようなことが朝日の記事を読んで、むくむくと湧いてきたのだった。

 

 

 

 

安倍改造内閣概観

 麻生財務大臣、菅官房長官が留任。河野太郎外務大臣防衛大臣に横滑りした。これはすごい。タフネゴシエーターの河野大臣は、支那、朝鮮には大きな目の上のたんこぶになるでしょうね。

 高市総務大臣、茂木外務大臣、萩生田文部科学大臣、加藤厚生労働大臣あたりは、安倍さんが頼りにしている有能なメンバーである。河井法務大臣もモノがいいと評判の人だ(モノ悪かったです/後日追記)。衛藤1億総活躍大臣もしっかりとした政治信条を持っている。西村経済再生大臣、菅原経済産業大臣も手堅いところだろう。橋本五輪大臣は、数日前に名古屋で森喜朗元首相が言っていたとおりになった。

 橋本五輪大臣、聖子の「聖」は聖火の「聖」、五輪と言えば橋本聖子ってことでしょうね。橋本大臣、小池都知事とガチンコでお願いします(笑)。

 けっこう年齢がいっていて、期数もずいぶんと重ねていて、それで初入閣という方が何人かいる。いつの内閣改造にも見られる在庫一斉処分大臣である。派閥からの推薦で、安倍さんとしても支持を得るためにはある程度呑まざるを得ない。

 今回の内閣改造がどうのということではなく、桜田五輪大臣とか江崎沖縄及び北方対策大臣など、政治的にはなんの個性も持っていない普通の爺さんが時々紛れ込む。地元の支援者の前で軽口を叩いているので、しゃべることには慣れていると本人は思っている。実は下手なんだけど、そのことに気が付いていないので、ついリップサービスで口が滑る。たいていこういった派閥推薦議員は、年齢・期数を重ねた陣笠に多い。

 それを当てはめてみると、今回は田中復興大臣(8期・70歳)、竹本科学技術大臣(8期・78歳)、北村地方創生大臣(7期・72歳)が該当する。7期、8期まで大臣をやっていないというのは、かなり凡庸な人物であることは否めない。とはいえ、政権の足を引っ張らないように頑張ってもらいたい。ちなみに田中大臣が麻生派で、その他のお二人は岸田派である。取りあえず無任所大臣とはいえ、これでお三方とも「旭日大綬章」が決定なので、取りあえず故郷に錦を飾れた。おめでとう。

 しかし、小泉環境大臣が(4期・38歳)と比較すれば、永田町の人事の厳しさが覗えるというもの。地元に帰れば「先生様」なのだが、中央ではなかなか評価されないものなんですね。

 

 少し切り口を変えて、今回の改造内閣の「世襲議員」を拾ってみますね。

 安倍首相はもちろんバリバリの世襲議員、父(安倍晋太郎)、祖父(岸信介)、大叔父(佐藤栄作)が、どの人物も大政治家である。さらに安倍系をさかのぼれば、高祖父が山口県の初代県議会議員というから、政界きってのサラブレッドと言っていい。麻生財務大臣吉田茂の孫で、麻生多賀吉の息子という血脈も金看板である。河野外務大臣だって、祖父、父と三代続く政治家の名家と言っていい。義父が大物政治家だった加藤勝信議員、父が曲者政治家だった江藤議員も世襲、小泉大臣も曾祖父、祖父、父と四代にわたる世襲である。やはり令和の時代に入っても世襲は重要な出世のファクターなのだ。でなければ、菅官房長官のように切れ者しか中央政界では偉くなっていかないということらしい。

 でも、世襲議員に安定感があることも確かだ。既婚者なのにハワイで重婚してしまった中川某という世襲もいるけれど、やはりもう少し世襲の人々に助けられながら、日本国を誘導していくことになるのかなぁ。ある意味で、江戸の封建制度をそのまま引きずっているような気がしないでもないが、伝統的ということであれば、それほど嫌でもない。

仕事師ワルシャワ

 左翼マスコミの反撃が始まったか。

《重用するテレビの不見識武藤正敏・元駐韓大使は元徴用工訴訟の利害当事者》

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190910-00000002-nkgendai-ent

 とかね、第4次安倍再改造内閣の話とか、福島第一原発の汚染水処理の話とか、面白そうなネタが新聞にあるけれど、今日のワルシャワは忙しいのじゃ。

 今もパソコンで、別の原稿の修正をしている。ということで、また午後にでも登場します。すんまへ~ん。

 なんとか午後3時過ぎには家に戻りました。

 以下、今日のニュースから。

 

 韓国の妄想教授が騒いでいる。

《「東京五輪旭日旗』の応援は絶対いけない」…徐敬徳氏、IOCに訴え》

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190911-00000021-cnippou-kr

 もう大半の日本人は気が付いている。こんな妄言は粛々と無視を続けていけばいい。なにを言われても「旭日旗」は日本が誇る艦隊旗であり、ナチスドイツの「ハーケンクロイツ」とは根本的に違うものである。そして第二次世界大戦を戦った日本軍は「戦犯」ではないし、もっとも激烈に戦い、多くの戦死者を出したアメリカがそう思っていないのだから、戦ってもいない民族がなにをか言わん。日本軍としてアメリカと戦った毅然とした朝鮮人は多く存在した。洪思翊(こうしよく)中将もその一人であり、成績抜群で温厚な人物であったという。最終的にフィリピンで終戦を迎え捕虜となり、収容所所長の責任を問われ「戦犯」として死刑になっている。罪科は「捕虜への食事が十分ではなかった」というもので、その頃は日本兵だって飢えていたのだが、戦勝国の連中はそういった全体を見ずに自分たちが虐げられた恨みを晴らすために、戦後は教師になりたいと言っていた温厚な朝鮮人軍人を「戦犯」とした。

 その後、朝鮮半島の共産エリアでは、元日本軍人というだけで粛清されたという。南半分でも、「親日」が罪になる時代になってきたのでご同様に恐ろしい国なんですね。

 東南アジアでは、各国の独立に元日本兵が尽力して、そのことを未だに感謝してくれるのだが、西のお隣さんは、朝鮮人の立派な先人まで貶めても、旭日旗を「戦犯旗」にしたいらしい。全世界でそんな阿呆なことを言っているのは、韓国だけで、という韓国のごく一部の阿呆だけなのだ。ノイジーマイノリティがIOCのバッハ委員長にクレームを付けただけ。

 日本国は、ヤクザの苦情など粛々と無視して、、旭日旗の掲揚をきっちりと織り込んでオリンピック開催を進めればよろしい。

 

 

ニャンコ先生見つかる

 ワシャはけっこう堅い靴を好んで履く。リーガルの「Uチップ(GORE-TEX フットウェア)」

https://www.regalshoes.jp/shop/g/g06TRCE_____BR___235/

が、最近のお気に入りで、これを3足持っている。スニーカーなどのラフな靴は、何足か持っているが、普段はあまり履かない。Uチップなど革靴で出かけることが多いですね。

 だから、靴ベラが必須なんですわ。

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 鼈甲(笑)の靴ベラに「夏目友人帳」のニャンコ先生がくっついたもので、これを鞄の留め金に引っ掛けて持ち歩いている。先日、これを紛失してしまった。落語会の会場から出る時に使ったのまでは記憶がある。次の日に出掛ける時は、自宅の玄関の靴ベラを使った。職場でも靴を脱いだが、その時も職場に置いてある大きい靴ベラで靴を履いたから、ニャンコ先生靴ベラは使っていない。気がついたのは1日経った夕方だった。鞄の留め金にニャンコ先生が居なかった。ありゃりゃぁ。スルメをくわえたニャンコ先生が気に入っていたのに。鼈甲(笑)の靴ベラも亀亀していて好きだったのに。

 ううむ、留め金のリングにニャンコ先生をくぐらせただけだから、簡単に外れてしまう。というか、簡単に外れないと使い勝手が悪いのである。おそらく落語会から居酒屋に向かう経路のどこかで落としたか、自宅から職場までいく間か、失くした日は、5つの建物をウロウロしたので、そのどこかで外れてしまったか。大したモノではないが、けっこう喪失感がありましたぞ。

 3日ばかりして、職場の受付のカウンターのところに、ニャンコ先生が靴ベラを下げて座っているではないか。事務員に聞くと、事務所内に落ちていたとのこと。あ~外でなくてよかった。

 夕方、職場での仕事を終えて、自転車で帰宅をする。商工会議所の角まで来た時に、「本屋に寄っていこう」と思い立ち、自宅とは反対の方向に自転車をこいだ。商工会議所から農協の前までの歩道のタイルが凸凹で、けっこう振動が強い。ワシャは前カゴにバッグを入れている。路面の振動で、鞄に付いたニャンコ先生がはしゃぐはしゃぐ。ニャンコ先生もいつものポジションに戻ったのが、そんなに嬉しかったか。

 

今日も忙しい(泣)

 昨日、楽しい(笑)パーティーが名古屋であった。森喜朗元首相とか、今話題の大村愛知県知事とか、橋本聖子参議院議員などもお出ましになって、1時間15分も立ちっぱなしでつまらない話を聴かなければならない。その中では森元首相の話が、自由気ままで適当で、おもしろかった。

 というようなことを縷々書きたかったのだが、今日も朝から忙しい。日記を書く時間を惜しんで、別の原稿を仕上げている。

 また後ほど登場いたしますので、ご容赦のほどよろしくお願いします。

また夕方に登場します(謝)

 今日も午前中からスケジュールがビッチリで、どれも義理事ばかりでおもしろくもなんともないんだけど、出なければ仕方がないものばかりでおます。

 おそらく夕方には自由になると思いますので、もどったらその経緯なんかも書けるといいなぁ。

 朝飯をかき込みながら、テレビを見ると「ボクらの時代」が流れていた。中井貴一佐藤浩市三谷幸喜の鼎談で、これはおもしろかった。このことも書こうと思うのだが、時間がない。それでは、とにかく行ってきます。最初は、凸凹商事に出勤だ。

 

 夕方というか、夜です。再登場しました。いやはや今日はいろいろありましたぞ。まずは、JR車内でのハプニングを。

 

 朝、凸凹商事に出勤して、明日のための準備をする。それから地元の公共施設で開催している老人会に顔を出して、ひと仕事片付ける。その後、名古屋でのちょいとした祝賀会が開かれるので、そこにも顔を出すためにJRで名古屋に向かう。

 JRの快速に乗ったのが、11時に近い時間だった。けっこう混んでいて、当然のことながら座席には座れない。ワシャは車両の中央部まで入り込んで、右手で吊革に掴まりながら、左手でiPadを抱えてメールの確認をしていた。

 ワシャの左側には、どうだろう、20歳くらいの小柄な娘が大きな黒いナップザックを抱えて立っている。ホラン・千秋似の可愛い娘だった。小柄な子なので、吊革には掴まることができない。だから横座席の背もたれについている「掴むところ」(名前がわかりまへん)を支えにして、不安定な様子で立っている。なんだかゆらゆらしているなぁ……と思っていたら、ガクッと膝が崩れてしゃがみ込むような感じで通路にうずくまってしまった。およよ!

 隣に立っていた人が通路にうずくまってしまったんだから、そりゃびっくりしまんがな。助け起こそうと思ったのだが、ワシャの左手にはiPadがあって、咄嗟には手が出なかった。そうしたらね、その小柄な娘の奥にいた女性が手を出して、助け起こしてくれた。あ~よかった。小柄な娘は「すみません、すみません」と何度も詫びて、また、最前の体勢にもどった。ところがね、またグラグラとし始めて、今度はしゃがみ込むというよりも、転倒に近い体勢で通路に転んだのだった。ワシャの手にはまだiPadがある。だから、左手ではいかんともしがたいのだ。娘は倒れつつ、ワシャの左足にぶつかった。そこで倒れる衝撃を殺して、その後に床に倒れた。ワシャの左足のおかげでずいぶんと衝撃を吸収できたはずだ。今度は、しゃがみ込むというような状態ではない。完全に倒れてしまった。ワシャはあわててiPadを鞄にしまって、助け起こそうと思ったが躊躇した。さすがに若い娘である。いくら善意とはいえ、男のワシャが抱え上げるのもいかがなものか・・・と思っていたら、やはり先ほど助けた女性が、娘の脇から背に手を回して起こしたのだった。そうしたら、前のクロスシートに座っていた男性が立ち上がって席を譲って、その娘をシートに座らせることができた。

 ここからが、どうだろう、全部で20秒くらいの出来事だった。「熱中症で娘が倒れた」という情報が周辺の人に伝播していった。混雑した人の上を緑茶のペットボトルが飛んできた。それを受け取って娘に渡そうとするのだが、「いいです」と遠慮をするのだ。「栓は空いていないボトルだからとにかく飲みなさい」と娘に手渡すのだった。娘はやっぱり遠慮がちに、それでも2口くらい飲んだかなあ。

「緊急ボタンを押せ!」と誰かが叫んだ。その声にドア近くにいた男が反応した。もう刈谷駅のホームに入りつつある。それが分かったので、ワシャはボタンを押すまでもないと判断し、一喝した。

「ボタンを押すな!」

 ワシャの声はよく通るんですな。ボタンを押そうとしていた男はワシャの一喝でその行動を中止し、その瞬間に電車は停車、ドアが開く。

 ドア近くにいた男は、ホームにいた駅員に声を掛けている。

 ワシャは、「大丈夫か?」と娘の様子をうかがう。助け上げた女性も真剣なまなざしで娘を見ている。娘は「大丈夫です」と言っている。駆けつけてきた駅員が混雑する人の頭の向こうから「急病なら降りますか?」と問いかけている。

 ワシャは再度「大丈夫か?」と訊き「降りたほうがよくないか?」と付けくわえた。

 娘はしっかりした顔で「大丈夫です」と答えたので、入り口から覗く駅員に「大丈夫です」と応えた。

 電車は刈谷駅を何事もなかったかのように静かに滑り出した。

 

 娘はお茶を飲んで幾分落ち着いたところで、ワシャがちょっと強い口調でこう話しかけた。

「また調子が悪くなったら言いなさい。遠慮なんかしなくていいから、みんな心配している。お互い様なんだからね」

 そう言うと、娘はか細い声で「はい」と答えた。

 娘を助け上げたオバサンも、ワシャの方を見て「ねえ」と頷いたのだった。お茶をくれた人も、席を譲ってくれた人も、一部始終を見守っていた人たちも、みんなに安堵感が広がるのがわかった。

 ワシャは娘に膝を貸しただけなのだが、説教をしたので、この車両のリーダーのような存在になってしまったのだった。

 娘はその後、お茶を何口か飲んで、シートで眠ったようだ。金山の手前で、目を覚ましたようだったので、ワシャは「もう大丈夫だろう」と判断し、なにも声を掛けずに下車したのだった。同じ車両に同僚が何人か乗っていたので、ホームで「ワルシャワが車内で騒いだ」という大袈裟な話にされてしまった。やれやれ。

 

 名古屋での義理事もおもしろいことがあったんですが、それはまた明日。