食魔

 昨日、読書会。課題図書は、坂本葵『食魔 谷崎潤一郎』(新潮新書)。谷崎は『陰翳礼讃』が課題図書になったことがあるので、そちらとの対比で話がすすむ。メンバーは潤一郎の作品に馴染がないせいか、今一つの反応だったが、ワシャもそれほど谷崎に耽溺したわけではないけれども、『細雪』や『春琴抄』と重ねてみれば女のからんだ衣食住、女についての記載が多いことに思いあたる。
『食魔』については、谷崎の異常な「食」のこだわりについて書かれている。グルメだとか食通という安易な言葉では表現できない凄まじき食べっぷりが、どちらかといえば気持ち悪くなるくらいの印象で並べられている。
 ううむ、これを切っ掛けにして、谷崎文学をもう少し掘り下げてみるか。