理想主義者

 昨日は読書会。課題図書は、金谷治孟子』(岩波新書)である。支那中国、戦国時代の理想主義者の孟子のことが時代背景や、彼の言葉と照らしながら解りやすく説明されている。
 議論は、性善説に立つ孟子と、性悪説に立つ韓非子荀子などの比較や、理想を追求するあまり主君をボロクソに言ってしまう生き様の良し悪しなどについて、展開をした。この本と並行して、徳間書店が発刊している『中国の思想3 孟子』を読んだ。「五十歩百歩」「木に縁りて魚を求む」「来る者は拒まず」など有名な言葉もあるのだが、『論語』と比べると、全体として馴染が薄いような印象だった。やはりそのあたりが「亜聖」と言われる所以か。

 孟子は政治参謀としては敗者と言っていい。それは孔子も同様なのだが、結果として性善説に立つものは、激烈な現実の中で成功を治めることは難しいというである。