毒蛇と中央集権にはご注意を

 奄美郡島の加計呂麻島で男性がハブに噛まれて亡くなった。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20140410-00000054-jnn-soci
 まだ南の島には自然の驚異がいたるところに潜んでいる。それは反面、自然が豊かな証明でもあるのだが……。
 このニュースを見て「寅さん」を思い出した。
 テレビドラマ版の最終回が、ハブ狩りで一儲けしようと奄美大島に出かけた寅次郎が、そのハブに噛まれて死んでしまうというものだったからだ。寅次郎を死なせたことで、視聴者からはテレビ局に抗議の電話が殺到し、そのことが映画化に繋がったというのは有名な話。

 寅次郎を思い出せば、やっぱり会いたくなって、DVDを適当に引っぱり出してきて観た。手に当たったのは、第26作「寅次郎かもめ歌」だった。物語は北海道江差で、友達の訃報に接した寅次郎が、奥尻島を訪ね、そこでマドンナのすみれ(伊藤蘭)と出会うというもの。
 映画の内容はともかくも、この作品1980年のものなのだが、奥尻島の風景が、とてもうら寂しい。寒々としているというか、当時、離島というのは、中央から置き去りにされていたんだということをひしひしと感じる。
 1980年ごろに、ワシャは佐渡島へ旅をしたことがある。その時に車で島の外周道路を走ったのだが、その時の家並の印象が、映画の奥尻島のそれと重なる。当時、バブルにはまだ数年あり、景気の低迷していた頃だったろう。寒村、そんな集落の風景が、奥尻にも佐渡にも、おそらく加計呂麻にも点在していた。

 あれから30数年が経過してどうなんだろう。離島の新興は進んでいるのだろうか。先日のニュースで、「ガメラレーダー 日本海の要、接近 中国重鎮の思惑」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140406/plc14040611310008-n1.htm
 というニュースが出た。要するに離島、国境の島を支那中国資本が買い漁っているというのである。こんなニュースを耳にすると、離島振興策が成功しているとはとても思えぬ。
 江戸時代、佐渡島日本海航路の重要拠点として繁栄した。航路のせいもあったけれど、幕藩体制という地方分権がきっちりと確立されていたからでもある。
 日本は江戸期を見習って、地方分権を進めるべきだと思う。