天高く馬肥ゆる初夏に商売繁盛を祈る その2

(上から続く)
 昨日、地元で「商店街活性化」の集会があって顔を出す。ご多分に漏れず、人口増加の続く西三河でさえ中心市街地の空洞化は著しく、商業者は苦悩している。1998年に「中心市街地活性化法」が霞ヶ関の机の上で策定されて、全国の中心市街地にシャッター街を抱える自治体は必死になって、まさに藁をもすがる思いで「中心市街地活性化基本計画」を作ったものだった。あれから干支が一巡して、活性化した地方の駅前商店街はどこかにありますか。
 平成20年1月に丹波笹山でコラムニストの勝谷誠彦さんの町興し講演会があった。その時、勝谷さんが言った言葉が印象に残った。
「まちづくりに行政がからむとろくなことはない。行政を当てにしていたらいつまでたってもまちが活性化するわけがない」
 確かに行政主導型の「町興し」での成功例を寡聞にして知らない。
 昨日も、千葉県からお出ましのタウンアドバイザーと称する人物が講演をしたが、抽象的な話ばかりで具体策はなに一つ提示されなかった。その後に地元で10年以上、市街地活性化に携わっているリーダーが壇上に上がって「商店街活性化」の重要性をうったえていたが、内容が10年前から進化していない。やはり行政だのみなのである。
まちづくり会社をつくれば国からの補助金が見込める」ということで商店主たちの参画を募っていた。でも、この10年、霞ヶ関の言うとおりにいろいろな計画をつくり、細々とした活動をしてきて、なんの成果も見出せなかった商店主だちの反応は鈍い。
「消費行動自体が大きく変わってしまった。駅前から郊外へ、そしてネットへと移っている。残念ながら後背地に人口密集地を持たない商店街は成り立たない」
 知り合いの商店主がそう呟いて退席していった。