役人の百万言より少女の一言 その2

(上から続く)
 その後、10分の休憩を挟んで、後半が始まった。
 ここで突然、県の幹部が登壇してくる。何を始めるのかと思えば、パワーポイントを使って、今年10月に名古屋で開催される「COP10」の概要についてのガイダンスを始めた。
 これが面白くない。スライドはデ大使とうって変わって細かい字がびっしりと書き込まれている。県主催の説明会などにいくとよく見せられるやつだ。そんなスライド誰も見ちゃいないって。
 それに県幹部の話がつまらない。もともと県のエリートとして歩んできた人なのだろうが、話術に関して言えばずぶの素人だ。滝川クリステルや地元ラジオのアナウンサー、場慣れした論説委員、国を代表する大使、市民の代表である市長などに挟まれた状態で、議会でやるのと同じような官僚答弁が市民に受けるわけがなかろう。このあたりの現実を理解できないところが県官僚の致命傷だ。
 それに、この人、大名の登城でもあるまいに、ぞろぞろとお付きの部下を従えてやってきた。デ大使ですら通訳一人を伴なっているだけなのに、大仰なことですな。
 ようやく退屈な議会答弁が終わった。やれやれ。
 司会者が「そのまま席にお座りください」と案内しているにも関わらず、てんぱっているオジさんは舞台の袖に引っ込んでしまった。で、またあわてて舞台に現れて上手側の椅子に腰掛けるという間抜けぶりだ。この人一体何をしに来たのだろう。
 司会者がパネラーを一人ずつ紹介し、滝クリ、デ大使、市長、そして最後に太めの論説委員が登場してくるという大事なパネルディスカッションのオープニングを、台無しにしてしまった。
(下に続く)