普通は普通でいいのだ その3

(上から続く)
 大橋巨泉参議院議員になったことがある。しかし彼は「この世界は俺の住むべき世界ではない」と気がついて議員を辞している。さすがに賢明だ。テレビの取材、当選に至る経緯などを拝見するに、残念ながら磯谷さんに政治家としての適性があるとは思えない。意味のない負担を国民に与えないためにも、ここは真剣に巨泉と同じ方途を考えたほうがいい。むしろ、新党日本有田芳生さんあたりと交代したほうが余程日本のためになると思うがいかがか。
 どうも現行の選挙制度には政治に向いていない人を国会という鉄火場に送りこんでしまうと欠陥がある。代議士になることは政治家を目指していない人にとって決してプラスには働くまい。4年間を棒に振るだけのことだと思う。あるいはその4年間で夜郎自大になってしまって、その後の人生を誤る危険性すらある。
 ワシャは磯谷さんのことを貶めているわけではない。くさしてもいない。磯谷さんの言動を聞いていて、名簿登載をされた経緯を知って、それは違うんじゃないかと疑問を呈しているだけである。
 維新は、維新の回天を目指した志士たちの手で成し遂げられた。その激動の中に、いくら誘われたからといって、昨日まで寺田屋で仲居をしていた中年女性が、坂本竜馬高杉晋作とともに軍艦に乗って馬関海戦に出撃するというのは土台無理なことだと思いませんか。何もわからない人を国会議事堂に閉じ込めて地獄のように退屈な国会審議をさせるというのは、どう考えてもおかしいでしょ。普通の人は普通のままのほうが幸せだと思うのはワシャだけかいな。

 裁判制度にしろ、選挙制度にしろ一般人を巻き込むのはやめろよ。