古書の痕跡2

 新年度、あけましておめでとうございます。本年度も引き続きよろしくお願いいたします。

 さて、昨日の続き。

 古書を購入するといろいろなものが挿まっていて興味深い。
◎『別役実評論集・言葉への戦術』(鳥書房)
「○○市△△町××番−□号 ☆☆@@様宛」のハガキが挿まっている。
大須で開催されるとある劇団の公演案内。ちなみに☆☆@@はワシャの同級生。ハガキに消印はあるが日付は判読不能。公演案内に6/2(金)6/3(土)6/4(日)とあるので、昭和53年であると推測される。とすると同級生は20歳で別役を読んでいたのか……

◎『日本文学の歴史4』
「□□○○様 署名 日本文学の歴史 4 定価 P2200 毎度有難うございます ☆☆書店」という納品書。古書の納品書の挿入率はけっこう高い。

本多勝一ルポルタージュの方法』(朝日新聞社
どこかの大学の「出席カード」が挿まっている。そこにシャーペンで
《『ベストアンドブライテストハルバースタム
テーマ
あらすじ
著者紹介
●題材に対するアプローチ
ベトナム戦争――インタビュー……》
などとかわいらしい字で書いてある。この本の前の持ち主は女の子だな。

夢枕獏陰陽師 飛天ノ巻』(文春文庫)
 栞が4枚挿んであった。1枚は「文春文庫」のありきたりな栞。1枚は「書泉」の楕円形の花束が書かれた変形栞、2枚は同一のもので、やはり「書泉」のイラスト栞である。
「文春文庫」の栞には《「文春文庫+PLUS」2001年1月10日創刊!》と印刷してある。そして奥付けに《2001年1月15日第13刷》とあるので、この二つの日付のあたりで、神保町周辺、西葛西、埼玉県川口市のどれかの書泉で購入されたものだろう。

 いろいろ挿んであって面白いでしょ。