本の痕跡

 ワシャには読書友達が何人かいる。読書会や論語塾のメンバー、それに面白い本を回読する職場の仲間がいる。この間、その内のお一人からこんな指摘をされた。
「お借りした本にレシートが挿まっていましたよ」
 本を返してもらって確認してみると、ホントだ。「BOOK EXPRESS」東京南口店のレシートが挟んであった。日付は2009年2月26日……あ、思い出した。千葉の研修の帰り、JR京葉線から新幹線にのりかえる途中で駅構内の本屋に立ち寄っている。その時のレシートだった。
 でもね、挿んであったのは、浅田次郎月のしずく』(文藝春秋)で、その時に買った本じゃない。何故、この本に挿んであったのか。それは想像するに、東京駅で買った新書を早々に新幹線の中で読んでいるんですな。そこで何の気なしに、そのレシートをしおりの代わりにひょいと挿んだんだろう。曖昧な書き方ですが、無意識のうちにやっているので記憶にないのじゃ。そのまま帰宅して、また書庫かどこかで新書の続きを読んだ際に、そのレシートを机の上かテーブルの上に適当に置いたんでしょう。そのままレシートは放置されていて、その後に、『月のしずく』を再読している時に、手元にあったレシートをひょいと挿んだものと考えられる。
 こんなふうだからワシャの読んだ本にはいろいろなモノが挟まっている。レシート、しおり、付箋は当たり前、時にはキューバチェ・ゲバラ紙幣だったり、歌舞伎のチケットの半券だったり、写真であったり、この間はクレジットカードが挿まっていたので驚きましたぞ。でもね、いろんなものを挿むのはワシャだけではない。他の人もいろいろ挿んでいる。そのあたりの話は明日しますね。