個室ビデオ店火災 その2

(上から読んでね)
 まず、ワシャはこの手の店には泊らない。脱出口が一箇所しかないようなところで熟睡できますかいな。でもね、どうしても泊らなければならないということになったら、まず、奥の部屋を選ばない。出入口に近いところを選ぶ。宿泊の状況を示す現場平面図が新聞に載っていたが、それを見ると客の意識はまったく逆である。奥の部屋に宿泊客が集中している。入口に近い方の部屋は空いているのだ。どうしてみんな奥を選んだんだろう。
 そしてなるべく酒を飲んだ状態ではこういったところに宿泊しない。何かことが起きた場合に、気づかなければ意識を失ったまま最悪の状況に直面しなければならないからだ。
 マスコミは個室ビデオ店、ネットカフェなどの営業形態や防火対策の問題ばかりに焦点を当てて騒いでいる。
 朝日社説でも《事実上宿泊施設になっている店は、大きなホテルや旅館と同じようにスプリンクラーを義務づけるなどの新たな対策を考えなければならない。》などとご高説を垂れている。それもあるだろう。しかしそれだけではない。歌舞伎町にも難波にもワシャの町のような片田舎にも居酒屋チェーンがたくさん雑居ビルに展開している。そういった店舗は窓を潰し、店内を細かく仕切って、入り口辺りに厨房を配置することが多い。いつも飲みに行って思うのは、「厨房から火が出たらまず脱出不可能だな」ということである。基本的に6000平方メートル以下の飲食店にスプリンクラーなどの設置義務はない。この部分にも手をつけないと悲劇はまた繰り返すことになる。
 朝日の論説委員も目先に起きた現象面ばかりを書き立てるのではなく、森を見ろよ、高給を取っているんだから。