せどりワルシャワ

 昨日は西三河ブックオフを4軒走りまわった。環境関連本を中心に70冊ほど購入。読書仲間から「ワルシャワの買い方は古本屋のオッサンの仕入れだね」と言われた。
 古書業界に「せどり」という言葉がある。古書店が書籍類を安価に入手し、そこにマージンをのせて販売することを言う。仕入れのためにマーケットを回ったり、他店を徘徊することなどもそう言うらしい。でもワシャは転売せず、もっぱら自分が読書をするためや資料として取っておくために買いこんでいるだけなので「せどり」ではありませんぞ。
 今回、収穫があった。
 ワシャは江戸時代が好きなので、江戸に関する書籍や文献を集めている。その中に「江戸時代図誌」という資料がある。本編全25冊、別巻2冊というシロモノで江戸時代の図版を確かめるのに役立つレファレンス本なのじゃ。例えば「江戸時代、長崎はどんな風景だったのか?」と思ったら、この図誌を紐解く。そうすると「長崎日清貿易絵巻」とか「長崎蘭館図」とか「唐館絵巻」が載っている。
 しかし図書館の供出本や、古本屋で1巻1巻揃えていたので、総索引のある別巻2だけがなかった。それがあったんですね。よかったよかった。
 そして趣味の環境や地震の本も買い込んだ。星新一の文庫も一冊50円になっていたので躊躇することなく買った。気がつけばデミオの後部座席は本で埋まっている。
 自宅に戻り、本を読みながらクリーニングしていると年上の知人から電話が入った。
「本の処分をするから見に来ないか」
 というお誘いだった。彼も書籍から漫画までおびただしい蔵書を持っているのだが、息子夫婦が同居するというので一部の本を整理するということらしい。早速、隣町まで出掛けた。
 知人と合流して、書籍類を一時的に保管してある倉庫に連れていかれた。大型トラックが楽に入れそうな倉庫にダンボールが積んである。この中に本が詰まっているらしい。
「必要なものがあれば持っていっていいよ。後は捨てるだけだから」
 とのこと。ワシャは帽子にマスク、指先の細い消防士用のグローブをつけると、本の山の中に突入しましたがな。
 埃まみれの本と格闘すること4時間、その間、飲まず食わずで汗まみれ。116冊の本を救出したのだった。
 中には凄い本も混じっている。手塚治虫の『地底旅行』初版新品が発掘されましたぞ。知人は手塚治虫が好きだったようで、その他にも初版の作品がいくつか出てきた。
 そんなことをずっとやっていたので昨日はヘロヘロになっていたのでありました。やれやれ。