夢を信じろ

 天海祐希が『トップキャスター』の中でこの言っていた。
「何をめざしているかもわからない人に、未来なんかあるはずないじゃない」
痛い!
朝日新聞のテレビ欄にライターの磯村完さんが『TVこのセリフ』という短いコラムを連載している。今日のコラムはよかったですぞ。短いので全部引用しちゃえ。
《先日、知り合いの小説家志望クンが、弱気になってこんなことを言った。「追い求めて叶うか叶わないかわからないのが夢。それをめざして必ずたどり着くのが目標かな」
 ぼくは「違うよ」と、いい直した。「叶うと信じて突き進むのが夢。そこへの一里塚が目標でしょう」
 どんな仕事も下積みが長く続くと、自分は何をしているのかと不安になり、かなたに見える夢の輪郭すらぼやけてしまうことってある。ニュース番組の看板キャスター・椿木春香(天海祐希)がアシスタントの飛鳥望美(矢田亜希子)にいったこのセリフは、そんなときに思い出したい言葉だ。未来を信じろ。夢は叶う。》
 いいことを書いている。このコラムを読んで、下積みの長いワシャは思わず涙ぐんでしまいましたぞ。ついでに磯村完さんの最新刊『ドラマな言葉』をe−honで注文をしてしまいました。

 そう言えばあの小嶋社長が証人喚問の前にリハーサルをやっているビデオが流されていたが、どこまで姑息な奴なんだろう。そうまでして己だけを守りたいか。「証人喚問でもなんでもしてみろ、全部話してやる」と息巻いていた頃のほうがバカなりに見所があったが、ここまで卑怯になっては救いようがない。どうも金を扱う奴らってのは卑しくなってしまうんだね。
 かつて武士は金をいじることを忌み嫌っていたが、その精神を気高く保つためには金は毒なんだね。一連の金の亡者どもを見ていてそう思った。
 彼らだって青雲の頃には夢を描いていただろうに、いつからその夢は腐ってしまったのだろうか。もちろん金に汚くなった時点からだね。