牝鶏晨す(ひんけいあしたす)

 正確には、「牝鶏晨する無し。牝鶏の晨するは、惟(こ)れ家の索(つ)くるなり」と言う。要するにめんどりが朝を告げるようになったら家が滅びる前兆である、ということ。
 近世初頭、豊臣秀吉の跡を継いだ秀頼は、大坂で65万石の大名としてその命脈を保っていたのだが、その母、淀殿が実権を握って大坂城内を牛耳ったために、結果として豊臣家を滅ぼしてしまった。
 近代中国では、清朝末期に西太后という女独裁者が登場し、粛清をしまくって帝国そのものを滅ぼした。
 現代にもある。旧社会党社民党がまさにこれだった。土居たか子を党首にして以来(一時の盛り上がりはあったものの)、凋落の一途をたどり、ついに2003衆議院選挙では18議席を6議席まで減らして、党存続の危機までささやかれる始末である。
 現時点で心配なのは大阪府だ。しきりに大相撲の土俵に上がりたがった知事で大丈夫かいな?そんなことでうだうだ言っている間に、岸和田あたりの児童相談所の指導をしたほうがよかったんじゃないの。組織というものはトップの性格を色濃く反映するから、岸和田の児童相談所の女性所長も、どこぞの小学校にある土俵に上がることを画策していて、救出がおくれたりして。
 ほらほら今朝の新聞に「小6長男を監禁、衰弱死」という記事が載っちゃいましたよ。また大阪の事件ですよ。こんどは助けられませんでしたね。
 太田知事は、自らのホームページで一期目の主要実績を掲げている。その中に、「児童虐待への対応を強化しました」という項があり、次のように書いてあった。
「就任後に、全国で相次いだ子どもの虐待事件を重く受け止め、平成13年度には、子ども家庭センターに虐待対応課を設けてケースワーカー、心理職といった専門職員を増員しました。併せて、危機介入援助チーム(弁護士や精神科医等の専門家)を組織し、警察と連携し積極的に虐待防止にあたる体制を整えました。虐待相談処理件数は急増しましたが、危機を掘り起こして重大な事態の未然防止に取り組んでいます」
 ああ、むなしい。