仙谷地獄 2丁目

(1丁目から続く)
 もう一度、原点に立ち返りたい。2010年9月9日の朝日新聞2面の見出しである。
《「衝突は故意」海保決断》
《中国船長逮捕》
《決め手は現場ビデオ》
 記事の概要はこうだ。
【9月7日、「巡視船に中国の漁船が接触した」という一報が参議院国土交通委員会に入った。最初の接触では「波にあおられた可能性もある」との見方をしていた国交省幹部も、続けざまに起こった衝突に「今までにない状況」と緊張が走った。しかし、巡視船の隊員がしっかりとビデオを撮っていたので、その映像が動かぬ証拠となり中国人船長を逮捕した。】
 そして記事は海保幹部の発言も載せている。
「立件に消極的な声もあったが、鮮明な映像が決め手になった」
 この時点で、映像は非公開でもなんでもない。少なくとも全国で海上警備の最前線にいる海上保安庁の職員には、どのケースで逮捕に至ったかを知る権利がある。そうでなければ、同様の事案が発生した場合、対処ができなくなる可能性があるからだ。
 少なくとも9月9日の新聞報道を見るかぎりビデオは秘密でもなんでもない。むしろ海上保安庁は当然のこととして積極的に情報の共有化を図っている。これも危機管理がたいせつな部署では当然のことと言っていい。
 ところがとつぜんバカが介入してくる。もちろんこのバカというのは仙谷鼠のことである。
(3丁目に続く)