千秋楽7勝7敗の大関は必ず勝ち越す

 秋場所結び前の一番、琴欧州千代大海の取り組み。前日まで好調だった千代大海がゴロリと土俵に転んだ。双方とも力の入らない詰まらない相撲だった。それもそのはずで西の正大関琴欧州は7勝7敗で千秋楽を迎えていたのである。だから今日の取り組みが琴欧州の勝ちということは取り組み前からわかっていた。そんなことは好角家の間では常識なのじゃ。
 幾つか例を上げよう。
【平成20年夏場所
 7勝7敗の琴光喜と8勝6敗の魁皇、結び前の取り組み、もちろん琴光喜が勝って勝ち越し。
【平成20年春場所
 7勝7敗の琴光喜と8勝6敗の千代大海、結び前の取り組み、もちろん琴光喜が勝って勝ち越し。
【平成20年初場所
 7勝7敗の琴光喜と5勝10敗の安美錦、結び前の取り組み、もちろん琴光喜が勝って勝ち越し。(ってずっと似たようなフレーズなので「コピー」「貼り付け」で、ちょこっと直すだけでことが済んでしまうわい)
 7勝7敗の魁皇と9勝5敗琴欧州魁皇が勝って勝ち越し。
【平成19年春場所
 7勝7敗の魁皇と8勝6敗の安馬魁皇が勝って勝ち越し。
【平成19年初場所
 7勝7敗の魁皇と5勝10敗と大きく負け越している栃東魁皇が勝って勝ち越し。

 というような具合ですわ。平成19年からだけでも7勝7敗の大関の負け越しは1例だけを除き皆無だ。その1例というのは平成19年春場所、7勝7敗で千秋楽を迎えた千代大海が、優勝争いをしていた横綱朝青龍の変化ではたきこまれて負け越した一番である。この一番に限っては優勝を目指している朝青龍が星を売ってくれるわけがない。だから負けた。朝青龍が10勝4敗で、優勝の目がなければ間違いなく千代大海は勝ち越していただろう。
「あ、この一番、八百長だ」
 千秋楽には何番もそういった相撲を見ることができる。特に千秋楽は判り易いんですよ。是非、験してみてください。八百長を見ぬくのも大相撲の醍醐味なんだから。
 週間現代の八百長裁判で、朝青龍が法廷に立って「八百長はない」と証言したそうだが、好角家八百長も折り込み済みで相撲を楽しんでいる。それでいいのだ。