文化という宝

http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20080326ddm041040161000c.html?C=S
 日本のお宝が海外に流出しなくてよかった。真如苑の健闘を称えたい。
 それにしてもクリスティーズに出品したという関東地方に住む収集家には腹が立つ。文化庁から4億円くらいで購入の話があったらしい。しかし、この収集家は「金額が折り合わない」としてその話を蹴った。そして、金儲けのために国宝を海外の収集家に売っ払おうとした。日本の文化を金に替えようとした「守銭奴」といっていい。
 へそ曲がりサヨクなかにし礼が「ワイドスクランブル」の中で「金を出さない文化庁が悪い」というような趣旨の発言をしていた。確かにへそ曲がりの言うように、日本の文化行政の貧しさは尋常ではない。もっと国の宝を守るために道路特定財源を充当すべきだとは思うが、少なくともこの収集家は日本人であるならクリスティーズに出品せずに根気よく文化庁と交渉すべきだった。金になりさえすればどこに死蔵されようと構わないという姿勢は国賊級の守銭奴だ。12億円を抱いて地獄へ落ちろ!

 2006年の夏、東京国立博物館で「若冲と江戸絵画」という特別展が開催された。アメリカ人のジョー・プライスという日本美術に魅せられた蒐集家のコレクション展である。
 今、手元にその特別展の図録がある。ワシャはプライス氏の友人という人厚さ24ミリもある図録を借してもらったが、いやー、百点を超す若冲を中心にした日本絵画は見応えがありますぞ。是非、生で見たかった。プライス氏のお蔭でこれだけの日本文化が散逸せずに済んだことは、めでたい。
 でもね、古美術収集家の中にはバカも混じっている。バブルの絶頂期にゴッホの「医師ガッシュの肖像」を125億円で手に入れた製紙会社の社長は「オレが死んだらこの絵を棺桶に入れてくれ」とほざいたそうな。こんなバカもいるから、文化財というのは常に危機に瀕していると言っていい。
 冒頭の守銭奴もこの社長とどっこいの阿呆だ。金がすべてだと思っている連中が文化を、ひいては国を壊していく。悲しいよね。