環境というトレンド

 午前5時起床。まだ暗い庭に出て朝刊を取ってくる。で、書斎(物置ともいう)で紙面を眺めているのだが、朝日新聞サヨク系なので環境の記事が多いのう。
まず1面に「風力発電に法の壁」ときたもんだ。自然エネルギーの中核をなす風力発電が8位(04年度)から13位(07年度)に落ちたことを報じている。
 2面には「セクター別アプローチって何じゃ?」と題して、産業・分野別に温室効果ガス削減量を考える方式について解説している。
 4面は「京都議定書達成へ議連」、7面に「温暖化対策事業リスクとります」、生活面は大きく「CO2削減」を取り上げている。
 地方版では「食品『ごみ』豚のエサに」でエネルギー循環の話が載っていた。
 たった一日の朝刊にこれだけ関連記事が載っているのである。一種の流行と言っていいだろう。

 でもね、何冊か環境関連本を読んでみて解るんだけど、環境問題ってまだまだ不確実なことが多いと感じる。大ベストセラーとなったアル・ゴア不都合な真実』(ランダムハウス講談社)でも、中身の記述はかなりいい加減だ。温暖化の原因一つとっても科学的に証明されていない。未だに環境原理主義者と懐疑論者の間で熾烈な議論の応酬が行われている真っ最中だ。
 武田邦彦環境問題はなぜウソがまかり通るのか』(洋泉社)に対抗して、山本弘『“環境問題のウソ”のウソ』(楽工社)が出版されているし、Newton別冊の『地球温暖化』には別冊宝島から『「温暖化」を食いものにする人々』が出ている。
「環境」という分野はまだまだ発展途上の学問と見た。それだけに現段階ではどちらに与するということではなく、冷静に客観的に状況を見守るのが上策だろう。
 法政大学の藤倉教授がこう言っている。
地球温暖化対策として費用対効果の大きなものといえば、省エネルギーがあります。エネルギーを節約することは、いずれ訪れることになる化石燃料の枯渇を遅らせる効果があります。かりに「地球温暖化は間違っていました」ということになっても、省エネルギーはやらないよりやる方が良い。地球温暖化が科学的に立証されていないからといって、石油をじゃんじゃん浪費するような社会を放置してはいけません。》
 そのとおりですな。