県辱

 こんな言葉はないだろうが、愛知県民のワシャとしては「国辱」に次ぐ「県辱」だと思っている。もう昨日今日の新聞で朝日、中日などが書きまくっているので、皆さんもご存じですよね。なんと「表現の不自由展」を、昨日の午後2時に再開してしまった。まさに県辱的行為、実は国辱的行為でもある。

 

 詳しく語ろう。

 今回の「不自由展」再開については、いろいろな制約が並べられている。まずは、身分証明書による身元確認をする。個人を特定する中国共産党の手法が採用されいる。その上で作品を見る前に「教育プログラム」を受けなければならない。おいおい「教育プログラム」ってなんやねん。要するに作品を見る前に観客を「洗脳」するということで、オウム真理教のやり方である。

さらに展示会場に入るには、専任のガイドを伴わなくてはならない。これって、係員がずっとつきまとう「北朝鮮観光」とやっていることが一緒じゃん。

 そして「動画撮影の禁止」「SNSへの拡散防止」で情報発信を縛る。事前にSNSで情報を拡散させない旨の誓約書も書かされるそうだ。お~い、これも中国共産党の情報統制そのものじゃないのかい。こんな不自由な展示会は前代未聞だ。

 

 今朝の朝日の記事を引く。《不自由展の中止は「表現の自由」を巡る議論に加え、文化庁による芸術祭への補助金不交付決定など文化行政の問題も浮き彫りにした。》

 してないって。おまえらが、小汚い補助金の詐取を「表現の自由」という別の論点にすり替えただけのこと。文化庁の対応もなんら問題のあることではなく、ここも補助金詐取問題を別件に仕立て上げたものである。

 昨日の朝日がこう書いている。

《中止時と同じ状態での再開を求める不自由展実行委と、会場の安全確保を重視する芸術祭実行委が再開に向けた協議を続け、双方が歩み寄った。》

 何言ってんのさ。左翼と左翼が歩み寄ってもしょせん左は左、嫌日嫌日なのである。日本が好きで、日本の歴史が好きで、日本の文化が好きな、普通の日本人とは相容れない連中が、小さな仲間内だけで決めてしまった。会長代行である河村市長になんの相談もなくである。こういった遣り口も左と断ぜざるを得ない。

 そして再開するといったって、身元調査、金属探知機、事前洗脳、監視付き見学、情報発信禁止まで制約されて、それで1回30人、2度見学を許した。1日たった60人の県民が見学できるって、県民をバカにしているのか。昨日は1358人が応募したという。つまり1300人近い人が芸文まで出かけて、見ることができなかった。なんと理不尽な。

 津田大介は「あいちトリエンナーレに客でもない部外者から批判が来た」と言っている。要は「見ないで批判しないでくれ」というようなことを垂れているのだが、おい、愛知県民は750万人もいるんだぞ。毎日60人しか見せなかったら、全員見るのに342年もかかるんだぞ。生類憐みの令が出た年から毎日毎日県民が芸文に通わないと、トリエンナーレ終了までに見終らないんだぞ。

「見なければ批判するな」というのは愛知県民への言論統制である。

 毎日新聞には大村知事のこんなコメントが載っていた。

「『気に入らないから』と脅せばイベントをつぶせる悪い例になる。今後のためにも再開したかった」

 そういうことではないのだ。脅迫に対しては、愛知県警のトップである知事が毅然たる態度を取ればよかった。ただそれだけのことである。徹底的に県警を動員してでも8月4日以降継続すればよかった。だが、あわてて止めてしまったのは知事自身である。

 問題は、まともな日本人なら大方が眉をひそめるモノ、「芸術作品」と詐称するモノの展示を、内容を隠して強行実施したことにある。繰り返しになるが、内容を隠して補助金を詐取しようとしたところにあるのだ。

 河村市長の怒っている根底にもそれがある。何の相談もなく「昭和天皇バーナー焼き」や「マヌケな日本人は特攻隊員だ」などの極めて不愉快な掲示物がなんのガードもなく、子供から高齢者まで目にしてしまうことに怒っているのである。常識人である河村市長(ファッションセンスだけは常識人ではないけどね)が、名古屋市長としてそんな展示会に公金を投入できないと発言するのは至極真っ当であるし、文化庁補助金を止めたのも、まったく常識的な判断である。

 あとはマヌケな愛知県だけだわさ。愛知県の出す公金は、愛知県民が負担することになる。ということはワシャも幾許かの負担を強いられているわけだ。ワシャは、そんなことはまっぴらご免である。1円たりともワシャの納めた税金を「クソ展示」に使ってもらいたくない。

  ジャーナリストの有本香さんも言っている。

《本件は「表現の自由」の問題ではありません。本質は、公金と公の看板詐取の疑いがあること。そこから国民・県民・市民の目をそらすため「表現の自由」という一見髙邁な話にすり替えているのです。》

 

 津田大介は関係者の東浩紀氏との対談で「ひっひっひ」と笑いながら、展示内容を隠して開催しようとしていることをほのめかしている。まさに公金搾取の事実をおもしろおかしく話していた。

 そいつが、愛知県知事に続いて会見し「まず、こうやって合意にたどり着いたことは大変喜ばしく、歓迎する」って、一番の元凶がなにを言っていやあがる。こいつがまともに芸術監督の仕事をしていれば、こんな大騒ぎにはならなかったし、愛知県が大恥をかかなくても済んだんだ。

 まさに「県辱」。

 そして忘れてはいけないのが、再開を喜んでいるのが「朝日新聞」だということである。今朝の新聞なんか、高らかに勝利宣言をしているようにすら見える。そのことが何を物語っているか。「不自由展の再開」は、日本の国のためにならない、そういうことなのである。

 良識の敗北、そう言っていい事件は続く。