京都のコンサート

 京都の北山に府立植物園があり、その東隣に京都コンサートホールが建っている。平成7年の建都1200年を記念して竣工された。そこで、「平成19年度 陸・海・空自衛隊合同コンサート」があるというので、昨日、愛知県くんだりからのこのこと出かけたのである。
 コンサートは白い制服で揃えた海上自衛隊東京音楽隊の「君が代」で始まった。王城の地で聴くウインドオーケストラの「君が代」は素晴らしい。音楽をイデオロギーというフィルターを通してからでしか聴けない人もいるけれど、いい曲だと思うんだけどなぁ。

 さて、演奏曲目である。海自はケネス・ヘスケス作曲の「マスク」を演奏した。空自は「3つの印象」、作曲家の天野正道は「うる星やつら」映画版の音楽を担当しており、ラムちゃんが宙を舞っているような曲想が空自にマッチしたんでしょうか。軽やかでコミカルな曲だった。陸自渡辺浦人作曲の交響組曲「野人」である。聴いていて脳裏に『七人の侍』の市場のシーンが浮かんだ。日本的な民族性を強く打ち出したい、という作者の意図は成功したようだ。
 そして、第2部は、陸・海・空の合同でビゼーの「アルルの女」をたっぷりと聴かせてもらった。フランスのクリスマス曲をアレンジした「前奏曲」、ままならぬ恋を風雅に奏でる「メヌエット」、「ファンランドール」は小気味よいリズムと行進曲がうまくからみあって思わず体が動き出してしまいましたぞ。
 アンコールの締めは「軍艦行進曲」だった。これには会場の聴衆がどよめいた。歌舞伎座なら「待ってました!」と声のかかるところだろう。ワシャ的には「海行かば」が好きなんだけど、まぁこの曲でもよしとしよう。

 その後、京都の町をしばし散策して午後8時過ぎに帰宅した。めでたしめでたし。