陶のある風景 その2

(上から読んでね)
 間もなく、ランチの「冷やしウドン」が出てきた。「冷やしウドン」を盛った平皿が、やっぱりみんな表情が違う。全てが手捻りものばかりだ。この皿で、また、一盛り上がりした。
 平皿の上には少し堅めの麺の上に、トマト、レタス、キュウリ、卵焼き、紅生姜がのっている。かけ汁は、色合いから見て醤油と酢をベースにしたものだろう。おや、これはにゃんだ?黒い丸いものがコロコロと幾つも入っている。黒豆だ。ヘンなものがはいっているなぁ、と思いつつ、箸で麺を挟んで口に運ぶ。この時にレタスと一緒に黒豆も混じって口中に入る。
 う〜む、麺に腰がある。噛んでいるとほのかに上品な甘さが口に広がった。
「こ、これは!」
 黒豆である。実は、黒豆に期待していなかった。除けて食べようかと思っていたくらいだ。しかし、甘かった。かけ汁が醸し出すすっぱさと、紅生姜の辛みと、黒豆の甘味が見事なハーモニーを奏でているのである。ワシャは傍目も気にせず、皿に頭を突っ込むようにして完食してしまった。美味かった。
 ユッキィさん、もし京都にお出かけの際には、「甘味処AMABIKI」の「冷やしウドン」を召し上がれ。(つづく)