読書会

 刈谷駅前の産業振興センターで読書会。課題図書は小林よしのり『いわゆるA級戦犯』(幻冬社)だった。若干、美化のきらいはあるが、いわゆる「A級戦犯」「BC級戦犯」というものを理解するためには適当な本だと思う。知識人ですら「靖国」「戦犯」「東京裁判」などの事実を知らずに、好悪や思い込みだけで議論を展開しているということが理解できる。巻末に参考文献一覧があるが、そこに記載されている書籍60冊中3冊しか読んでなかった。平かな視点を持つにはもっともっと勉強をしなくっちゃいけない。

 読書会は午後8時40分過ぎに終わった。いつもの如く食事でもしようということになって駅北の繁華街へ向かう。その途中、ふっと見上げるとデンソー本社ビルが屹立している。まもなく午後9時になろうとするのに、15階建てのビルには晧晧と輝いているではないか。デンソーマン、頑張っているなぁ。
 おや、全面明るい建物にあって屋上とその下のフロア−には一切の明りがない。どうしたんだ。そのことを友人に尋ねるとこういう答えが返ってきた。
「地元では有名な話なんだが、何年か前、あのビルが竣工した時にトヨタ自動車から役員が見学に来たそうだ。屋上に案内されて、その眺望を楽しんでいる時にトヨタの役員がデンソーの役員にこう言った。『まさかこんなところを役員室にはしませんよね』デンソーは屋上階とその下を役員室にしようと思っていたが、その一言でそのプランを白紙に戻したということだ。だから今でもその2フロアは封印して使わないんだってさ」
 バカとしか言い様がないね。しかしトヨタデンソーの間にそれほどの上下関係があるとは……笑い事じゃ済まされない。
 刈谷駅周辺の繁華街では外国人の姿を多く見かけた。ここは歌舞伎町ではない。小さな地方都市の駅前なのである。しかしその田舎に、今、夥しい数の外国人が流入し始めている。ゆくゆく恐ろしいことにならなければいいのだが。桑原桑原……