中津川殺傷事件初公判

 3月27日に岐阜県中津川市で起きた一家5人+愛犬殺害事件を覚えておられるか。その後、あちこちで殺人事件が多発するからすっかり昔のような気になっていたが、いやいや、つい4ヶ月前の話なのである。事件の容疑者57歳が昨日の初公判でその心境を吐露している。
「子どもの頃から母親に虐げられ憎んでいた。結婚してからは妻への嫌がらせを長年続けたので恨みをもった。家族は殺人者の身内ということで肩身の狭い思いをさせるならばと、道連れにした・・・」
 う〜む、にわかには信じがたい話だなぁ。だってさ、母親は85歳とかなりの高齢だ。いじめられた自分は一家の大黒柱だし妻はすでにこの一家の主たる婦になっている。母親に対してもかなり強く応じることができるはずである。母親の年齢から考えても説得力がない。
 また「肩身の狭い思いをさせるならば・・・」と言うことだけど、犬は元々肩がないから狭くなんないでしょ。それに妻は旅行中で、妻には肩身の狭い思いをさせてもいいのかな?この容疑者の犯行の動機には辻褄が合わないところが多い。
 2月28日の日記にも書いたが、
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=427365&log=20050228
この容疑者、市の合併という転機で仕事が増加し、それでなくても仕事の早いほうではなかったので仕事場でストレスを蓄積し、家庭にもどれば痴呆症の母親の介護で疲れ果て「鬱」になっていたのである。その証拠に同僚がこの容疑者の漏らす「疲れた」という言葉を何度も聴いている。人生に疲れたこの人は一家を道連れにして西方浄土に逝きたかったのではないか。残念ながら自殺をする強い意志を持ち合わせていなかったので自分だけ生き残るという不様を演じてしまったが、本心はそのあたりにあるのではないかと読んでいる。
 家族の内部にこの凄惨な事件の引き金があるとしている識者もあるらしいが、そうなのかなぁ・・・確かに家庭にも問題はあったと思うけれど、競争原理、成果主義などを突き付けられた老公務員の反逆という色合いが強いようにも感じる。
 この容疑者には精神鑑定が必要だ。