2万人の首をきれば100億円くらい安いものだってか

 夕べは急に冷え込んだ。友だちと居酒屋のカウンターで飲んでいたのだけれど、西側にある入り口から真っ直ぐのところだったので、客が出入りするたびに冷たい風に吹きっ晒されているような状態で、コートを着たまま飲んでいた。だから熱燗中心でやっていたんですが、それはそれで美味しゅうございました。

 今朝の朝刊各紙のトップは「日産ゴーン会長の逮捕」だろう。
《日産ゴーン会長を逮捕=役員報酬50億円過少申告か−金融商品取引法違反容疑》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018111900805&g=soc

 と、ここまで書いてきてパソコンが停まった。なにかの作業をしないとデータが失われるとかなんとか言い出す始末。いわれるままにボタンをクリックしていたが、らちが明かず、強制的にパソコンを落して、また立ち上げて……とここまで20分くらい時間を要した。
 今日は午前11時から大事な用があって、その準備をしなければならないので、こんなところで躓いている場合ではないのだ。

《日産ゴーン会長を逮捕=役員報酬50億円過少申告か−金融商品取引法違反容疑》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018111900805&g=soc
の話だった。
《日産社員は複雑「私たちの給料と桁違い。想像つかぬ」》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181119-00000570-san-soci
 こんなニュースもあった。

 なにしろゴーン会長が100億円の年収をとっていたということで、これって徳川の歴代将軍の――諸説はあるけど――年収とほぼ同じと見ていい。徳川将軍は、その100億円から、江戸城の俸禄を得ている侍以外の下働きの給金、大奥のお女中の生活費全般、広大な江戸城やあちこちにある庭園の維持管理も大きな費用になる。日光東照宮や上野寛永寺など菩提寺などへ与える金子もけっして安くない。そう考えると手元に残る金額はそれほどのものでもない。

 それに比べると、造成する寺もない。毎年、面倒をみる広大な庭園もない。従業員の給与は日産が払っているとなると、ゴーン会長の生活は徳川将軍よりも上にあるということになる。

 ワシャの書棚に『カルロス・ゴーン経営を語る』(日本経済新聞社)が挿さっている。その帯には「“経営”とは“実践”であって“学問”ではない。企業とは物ではない、数字の総計でもない、現場に出かけることから“改革”は始まる」といい言葉が書いてある。内容を読んでもゴーン氏は、現場に足を何度も運んでいることが解る。365日足を運んだとしても、1日あたり2,700万円の仕事となる。なにを見て、なにを考えて、なにを実践するのか知らないが、寝る時間もあるだろうし、糞をする暇も必要だ。それらも経営に大きな影響を与えているとしても、いささか多すぎではないか。

 彼はこうも言っている。
「経営者のやるべきことの中で最も重要なことは従業員のやる気を起こさせることだ」
 それがいかに大変な仕事かはよく解らないけれど、ワシャには到底日給2700万円の仕事だとは思えないのだけれどいかがか。いくらカリスマ経営者とはいえ、もらい過ぎではないか。