司馬遼太郎名言集

《若い頃、京都で禅のえらい坊さんにたくさん会ったけれど、結局、うどん屋のおやじさんにも及ばなかった》

《「少壮(としわか)の者にはあまり世間の仕事をやらせてはならない。父母の事情がゆるすかぎり、勉学専一にはげませるべきである」世俗の仕事をあまりに稚(わか)いころからやらせすぎると人間が小さくしか成長しない、ということであろう。》

《「大器をつくるにはいそぐべからずこと」松陰の生涯の持説である。「速成では大きな人物はできない。大器は晩(おそ)く成る」と松陰はいう。》

《学問の目的は、物事の理論の究明にある。理論の究明に習熟せねば、かならず行動においてあやまる。人の世は、複雑である。とくに人がなにごとか行動をおこそうとするとき、眼前の世の現象はいよいよ複雑でなにがどうかもわからぬほどであり、学問なきものはそこで目まどい、足もつれ、泥酔者のごとくであり、狂人のごとくである。そういうなかにあっておのれの居るべき位置をきめ、おのれの踏みだすべき足の方向をきめるのが、平素の理論究明の習練である。それが学問である。という基本をわすれるな。》                                 

《学校の先生や教育ママに教わることは少ない。たまたまめぐりあった先生より、もっといい先生が本を書いているわけです。それを読むほうが早い。》