今朝の朝日新聞に、福岡県の2つの政令指定市の明暗が分かれているという記事。
《人口、増える福岡・減る北九州 働きやすい環境、若者定着のカギに》
https://www.asahi.com/articles/DA3S13693239.html
ネットではチラ見せしかしていない。読みたい方は無料登録を強いられる。アホ。
そんなことはどうでもよかった。話題は福岡市と北九州市のことである。福岡の人口増は少し落ち着いてきたもののずっと右肩上がりで続いている。逆に北九州市は40年間減少の一途をたどる。記事は、この要因を「製鉄業の合理化・衰退」にあると見ている。それはそうだろう。基幹産業が衰えれば、そこに従事する人が減り、人口は外へと流れていく。
でもね、それだけではないような気がするんですね。「都市の形態」、これが大きな要因ではないかと思っている。どういうことかと言うと、例えば、人口が伸び続けている福岡市である。博多駅から中洲、天神に中心があり、そこから東西南北に鉄道が伸びている。都市の中央にターミナルとなる拠点があって、周辺から人を集積している。
ところが北九州市である。そもそも合併で北九州市になる前は門司、小倉、戸畑、八幡、若松という5つの市だった。それぞれが独立した自治体で、商店街も官庁街もそれぞれが独立していた。これが横並びに合併した。だから拠点が形成されなかった。いや、拠点はあったが5つの小さなものが並立した。それも横に間延びした街の配置になっていて、これが街の成長を阻む要因となる。
福岡市のように拠点が集中していれば、そこに重点的に投資も行える。それは効率が高く効果も出やすい。ところが5つも拠点があると投資は平等にせざるを得ず、また住民もそれぞれが自分の田に水を引くことばかりを考えるため、効果は分散的、限定的なものになる。つまり街としての魅力がまったく向上しない。新幹線の小倉駅前ですら小田原か豊橋程度の街にしか感じられない。これが拠点分散都市の弊害なのである。
もうひとつ言うと、この分散拠点が鉄道でループしていればまだいい。例えば山手線や名古屋の地下鉄名城線のようにね。これも横に細長い北九州市にはできないことだった。
とにかく拠点をつくる。そこに集中投資をしていくことで、都市の魅力を向上し、周辺から人口を吸引するか、あるいは中小拠点を鉄路でループすることが重要ではないか。
国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2040年から45年にかけて99%の自治体で人口が減少すると予測している。つまり、東京都心以外の自治体はほとんど人口減少に陥ることになる。それをなんとか阻止しようと全国の自治体関係者はいろいろな手法を考えて模索している。
幸運なことに、西三河は基幹産業の自動車がまだ元気なので人口は増加している。これを将来についても継続させていくために、現在、種を撒いておく必要がある。ワシャはとっておきの西三河活性化策を持っているけれど、それはもう少し秘密にしておく(笑)。