本当に大切なこと

 昨日は、バカのバカな対応のことで筆が走ってしまい、大切なことが書けなかった。今朝は気を取り直して頑張るニャン。

 と言いながら、朝日新聞を読んでいて、また引っ掛かる記事があって、今、そっちにいこうかどうしようかと悩んでいる。むむむ、どうして世の中には左巻きの阿呆がこんなにも蔓延っているのか……しかし、今日は広島の続きのことを書かなくっちゃいけない。なにしろ早く文字にしておかないと、だんだんと記憶が薄れてくるからね。よし!今日はバカを相手にしないことに決めた。

 ワシャは15年前に、作家の日垣隆さんのセミナーに参加する機会を得た。そこでコラムニストの勝谷誠彦さんやノンフィクションライターの藤井誠二さんと知り合うことができた。そこから派生して、評論家の呉智英さんや作家の奥山景布子など広い人脈を構築することができた。今、ワシャの読書人脈、創作人脈のほとんどは日垣隆という人物に会ったところから始まっている。
 そんなガツンとくる出会いが久しぶりにあった。広島でである。日垣さんにお会いした時のような手応えはまだないが、というかあの時と比べるとワシャが15も馬齢を重ねているので、感受機能がいくらか鈍っているのかもしれないが、それでも強い衝撃波を受けたことは間違いない。
 もう全国区の有名な人なので名前を出してもいいだろう。全国区というより世界区と言ったほうがいいかもね。
 ピースウィンズ・ジャパンの大西健丞さん
https://www.onishi-kensuke.net/
である。
 取りあえず、半日、お話をお聴きしながら、関連施設や災害現場を案内してもらった。それだけである。それだけというのは失礼ですな。忙しく世界を飛び回っている大西さんが何時間も相手をしてくれただけで僥倖と言っていい。でもね、「この人は!」と感じるのに5分もあれば足りた。というよりも、己の器の小ささを痛感するのに5分とかからなかった。
 まずその風貌であった。容姿は上記のURLに出てくるので、そのとおりの人なのだが、ワシャらを迎えてくれる態度は丁寧で、これは年間40億円もの資金を動かすNPOのトップの物腰ではなかった。さっきまで山で作業をしていた気さくなニイチャンといった印象だった。黒いポロシャツを着ているのだが、その左袖の後は何かに引掻けたように破れている。左肩の縫い目のところもほつれていて、その姿を見た時に、ワシャの脳裏に浮かんだのは、ボロボロの着物で全国を飛び歩いた坂本竜馬司馬遼太郎描くところの竜馬を思い出していた。生き方も、風貌も、雰囲気も……そんな気がして、この人のことが気になった。さっそく、大西さんの著書『世界が、それを許さない。』(岩波書店)を購入して読んだのだが、およよ、その中に「坂本竜馬」のことが出てくるではあ〜りませんか。福山市鞆の浦の街並み保存事業の章に、坂本龍馬(こちらは歴史の人としての「龍馬」である。小説の「竜馬」とは若干違う)が登場する。大西さんも、「龍馬」もしくは「竜馬」を視野に入れていたんだね。
《紛争地帯に長くいると、いつ死ぬかはどこかで決まっていて、それが見えていないだけだと感じます。昨日元気だった奴が、今日はバラバラになっているのですから、まさに一寸先は闇。だったら、残り何日あるかわからないけど燃焼して、最後に、終わりと言われたときに納得できることをやっていたい。》
 大西さんは「転機」の章にこう書いている。まさに、維新のやってくることを信じて、前向きに己を貫き通した坂本竜馬の生き様そのものではないか。