劣化が止まらない

 今朝の天声人語もひどい。昔日の面影などまったくない駄文のオンパレードになってきた。それこそワルシャワ家では70年にわたって毎朝読んできたものだが、そろそろ限界か。
 今朝は「カジノが狂わせるもの」というお題で、こう始まる。
《何年か前、出張先の米ラスベガスでカジノをのぞいた。ものは試しとバカラ台に座って驚いた。単純なトランプゲームながら一度の賭け金が最低25ドル(約2800円)もする。20分もしないうちに200ドル(約2万3千円)を失った。怖くなって降りたが、頭に血がのぼる感覚はいまも残る▼カジノ解禁法案が唐突に衆院で…》
 デジタルではここまで。あとは登録をしないと読めない。でも読ませてくれないなら、わざわざ読む必要もない。もちろん書き写す意味などまったくない。
 おそらく自分のカジノ体験から入って、今やカジノと言えば鉄板ネタの紙屋のボンボンギャンブラーの話にいくんだろうなぁ……と思っていたら、そのまんまだった。そしてギャンブル依存症を警告し、締めは《人を狂わせる魔力が、すでに政府与党をむしばんでいるのだろうか。》である。
「だろうか。」ですよ。推測だけで日本を代表するオピニオン紙のコラムを書くなよ(泣)。
 朝日新聞も建前野党もそうだけれど、ギャンブル依存症が心配だと言うなら、全国津々浦々の銀玉カジノに入りびたっている依存症患者について論陣を張れよ。天声人語氏、2万3千円をカジノですって真っ青になったようだが、パチンコに毎日何万とつぎ込んでいる生活保護者は尋常な数ではない。
 ギャンブル依存症からは少し離れるが、生活保護とギャンブルについて、今月号の「SAPIO」に前・横浜市長中田宏さんが「権利と義務」という題で秀逸なコラムを書いている。呉智英さんもおなじ特集に寄稿されている。主張は《日弁連よ「死刑廃止」を言うなら「島流し」を復活させよ》ですよ。このコピーだけで天声人語に勝っている。内容はもちろん圧倒的におもしろい。