季節が少しだけ

 午前6時、曇っている。いい夢を見ていたので少し寝過ごした。書庫の窓を開けると、北寄りの風が舞い込む。少し雨も降っている。涼しい。

 夕べ、読書会。
 課題図書は、呉智英『つぎはぎ仏教入門』(筑摩書房)とサン=テグジュペリ星の王子さま』(新潮文庫)。本題からは話が逸れて、もっぱら坐禅の話になった。坐禅をしていて無になれるか、で盛り上がれる。メンバーの一人は、「訓練によっていつでも無になれる。実際に日常的に実践している」と豪語した。ワシャは「そう簡単には無になれない。坐禅を組んでいるが妄想、邪念の子鬼を追い払うのに必死だ」と答えている。
 その後、眠りについての議論。これも課題図書とは関係ない。
「3時間でも、ぐっすり眠ったと思うことにしている」
「8時間は楽に眠れる」
「ぜんぜん眠れないので本を読んでいる。だから寝床の周りは本だらけ」
「ふとんに入ったら何も考えてはいけない」
「そんなことできんわ〜い」
「無になるのじゃ」
 また、無だ。

 ひとしきり無駄話をして、駅前の居酒屋にしけこんだのだった。新秋刀魚の寿司が美味かったなぁ。