そして秋が来る

 安全保障関連法案が19日未明に「賛成多数」で可決され成立した。学生が中心の……と言いながら中高年の多いデモもこれで静かになるだろう。朝日新聞は、「普通の人間が出かけられるデモなんてなかった」と豪語するが、サヨク系の労働組合旗が林立し、落合恵子鎌田慧あたりが喚き散らし、60年安保の敗残兵のような白髪頭の中にシールズ系が紛れているような集団にシンパシーは感じない。
 さらに言えば中国共産党が法案成立を嫌がっている。その一点だけとりあげても、この法案は、ボテボテにはなったけれども出塁ができたものと思っている。今からクリーンナップにつないで、得点を上げていけばいい。それが、海外から尊敬され、日本人が誇りを持てる毅然とした国家を次世代に残していくことになる。
 それはさておき、17日の特別委員会の攻防戦である。午後4時20分過ぎに、鴻池委員長が委員長席に戻る。それがゴングとなった。委員席の外側で控えていた自民党の議員がどやどやと委員長席に集まって、鴻池委員長をぐるりと囲む形でガードを築く。委員長周りから野党を排除し、スムーズな議事を進めようということである。一拍遅れて野党議員が与党の作戦に気がついた。そこからは大乱戦となる。
 オラが地域のセンセーはがんばった。テレビカメラ的にはいちばんいいポジションで、ちょうど佐藤正久議員(ヒゲの隊長)の横で委員長を庇う役、顔もばっちりと確認できて、いやー、体を張った仕事に思わず拍手を送ってしまいましたぞ。平成25年初当選だから、まだ一兵卒である。体格はいいけれども、御年64歳。こういった仕事を割り当てられて、ご苦労お察し申し上げる。
 この攻防戦の指揮をとったのが佐藤議員である。さすがに実働部隊を動かすのには慣れている。佐藤議員が委員に起立を求めて手を振るところなんぞ感動してしまいましたぞ。それを見て、中谷大臣も涙ぐんでいたくらいだ。
 政治のイベントは終わった。国会前で浮かれ騒いだ民衆も一度家に帰って頭を冷やそう。コラムニストの勝谷誠彦さんに言わせれば「サザンやももクロのライブ程度」の人数でしかなかった。この程度が民意などと誤解してはいけない。奥田くんは、間違っても政治の道をめざそうなどと思ってはいけない。普通のまっとな道を進むのだ。祭は終わった。