天神様の左

 大宰府天満宮のお参りし、参道を戻ってくる途中で左に折れる。佐賀の友人がどんどんと山に向かって歩く。おいおい、この炎天下、どこに連れて行こうとするのじゃ。ワシャはそろそろ休憩して、冷たい生ビールをグビグビッとやりたいわい。
 山の端っこに、突然、観光地のロープウエイの乗り場というか、スキー場のゴンドラ乗り場というような巨大な設備が現われる。
 天神さまの左手にある山をトンネルが貫いていて、そのトンネル内にエスカレーターと階段が付けられており、その乗降場所だった。エスカレーターの両側には階段も併設されているからかなり幅はある。エスカレーターに乗って上を見ると驚いた。おそらく東京でも大阪でもこんなに長いエスカレーターは見たことがない。
 この長いトンネルのおかげで、天満宮から、山頂は全く見えない。とて〜も長〜い登りのトンネルのエスカレーターを乗って、やはり長いトンネルの動く歩道を2つ乗り継いでようやく山の中の盆地のようなところに出る。
 そこで目の当たりにするのは、九州博物館のこれでもかという佇まいである。さすが国費というのは凄い。こんなゴージャスな建物が、こんな立地で建っちまうんだから。これも文部科学省のお役人の仕事でゲスか?金食う施設を造るのがお得意でやんすね(笑)。
 建物はいかにもだが、今回の展示である「大英博物館展」は見ごたえがあった。
http://www.kyuhaku.jp/
副題は「100のモノが語る世界の歴史」で、世界各国のモノが一堂に集められている。紀元前のコーナーには縄文の壺(日本)、石灰岩でできたギリシャの女性像、メソポタミアの箱、楔形文字を刻んだ粘土板、オルメカ文明の仮面、ロゼッタストーンアウグストゥス帝の胸像などなど100点が展示されているのである。ううむ、1時間や2時間では見切れない。
 へとへとになってベンチで休んでいたら「常設展もすごい」という話で、またエスカレーターに乗って最上階までいきましたぞ。
 この常設展がとんでもない常設展で、全部堪能するのには4時間以上かかるんのではないか。「井戸の茶碗」が飾ってあったけれども、そこだけで30分は必要だ。ほかにも伊万里焼や三島手の茶碗などもあったから、これはたまらない。同行してくれた友人の飛行機の時間もあるし、腹も減ってきたので、後ろ髪をふん縛られているような状況だったが展示室をあとにしたのだった。残念。