イエスイエスイエス

 フランスのテロ事件、「シャルリー・エブド」襲撃事件の他にも自動小銃武装した男たちがあちこちで事件を起こしている。これはテロなどというものではなく内戦ではないか……そう言っている識者もいる。

 凸凹商事のことである。最近、出張所のいるワシャのところに頻繁に本社の連中が顔を出すようになった。「久しぶりに顔がみたくなって……」とか「陣中見舞いです」というようなことをいいながら小一時間、長い人では2時間くらい話をしていく。もちろん雑談をしているわけではない。社の方針変更や営業戦略、人事的なことについても、最新の状況を知らせてくれる。そして「ワシャさんはどう思うか?」と、ワシャの狭い知見を参考にしようとしてくれる。外にいる人間にとってはありがたいことだ。
 ただやってくる連中を眺めていて一様に感じるのは「仕事を楽しんでいないな」ということである。いや、彼らばかりではない。最近になって仕事を休む社員が増えてきた。
 ワシャは仕事について「まず社員が楽しくなければいけない」と思っている。社員が楽しくなければ、ユーザーが楽しいわけがない。仕事に着手する前に精査することは必要なことである。しかし、それは担当レベルでの話で、役員のレベルでの話ではない。執行部が、失敗を恐れるあまり微に入り細を穿って仕事を点検しまくるのはいかがなものか。
 新鮮な魚もこまかく切り刻み、その一片一片に汚れがないか確認していたら腐ってしまう。ある程度は、担当課を信頼し見切り発車でスタートしていくことも血のめぐりをよくするという意味では必要なことなのである。
 上の立つ人間のすることは細かいチェックではない。そんなことは部下にやらせて責任を取ることを考え続ければいい。覚悟と言ってもいいだろう。「この上司は必ず責任を引き受けてくれる。この人とならおもしろい仕事ができそうだ」と思わせる、思わなければいい仕事など望むべくもない。
 そしてトップの周辺をイエスマンが固めることも組織を蝕んでいく。凸凹商事がそうだと言っているんじゃないですよ(笑)。一般論としてそういうことなのである。

 今回のパリの襲撃で犯人に射殺された新聞発行人のステファン・シャルボニエ氏の言葉が輝いている。拡散するべきだと思ったので書いておく。
「ひざまずいて生きるより、立ったまま死ぬほうがいい」
 この言葉の意味は深い。とくに組織人としてはよく咀嚼する必要があると思う。